「為せよ、屈するなかれ」(1月30日は石井十次命日)
「為せよ、屈するなかれ。時重なればその事必ず成らん」・・・。1月22日、首相の施政方針演説の終わりにこの言葉が出て来て驚いた県民も少なくないのではないでしょうか。
これは郷土の偉人で児童福祉の父、石井十次の言葉。高鍋町出身である十次が、孤児救済に一生を捧げたその取り組みを紹介しつつ、この言葉が引用されたのです。
23日の宮崎日日新聞ではこの事が囲み記事で掲載されていました。それによると「顕彰活動に取り組む地元では『すごい後押し』と熱い歓迎の声が上がった」とのことです。またこの言葉は「十次が運営していた岡山孤児院の機関誌に、1898(明治31)年1月に掲載された。孤児院設立から10年たち、院内の尋常高等小学校開設や郷土・高鍋の振興など精力的に活動していた時期」と紹介されていました。
結果が出ないからといってすぐに諦めてしまうのではなく、粘り強く試行錯誤を繰り返しながら継続して取り組んでいけば、必ず望ましい方向に道は開き、成果が現れる・・・。これは児童福祉はもとより高齢者福祉、さらには私達が生きて行く上で全ての事に当てはまることだと思います。
「村の祭りの縄の帯 しめたる友をいたわりて 母の手織りのつむぎ帯 とりかえやりし少年の 十次の心のびてゆく」という「石井十次の歌」は、高鍋町の小中学校ではずっと継がれています。また授業でも十次の生涯やその偉業について学んでいます。
1月30日は石井十次の命日。没後102年に当たるその日を前に、十次の言葉は全国に紹介されました。これを機会に十次の取り組みや考え方などを学び直し、自らの生き方を考える上での教訓にしたいと思う次第です。
(↑高鍋町某所で見かけたステンドグラス。よく見てみると・・・)
(↑石井十次が描かれていました。慈愛に満ちた表情で、「為せよ、屈するなかれ!」と呼びかけているようです)