(公社)宮崎県老人保健施設協会看護・介護研究部会は10月29日、宮崎市のJA・アズム別館で研修会を開きました。60名が参加し、感染予防対策について学びました。
今回の研修会では感染症のうち、特にHIV(ヒト免疫不全ウイルス)およびAIDS(エイズ:後天性免疫不全症候群)に重点がおかれました。開会にあたり同部会の上村久美子委員長は「高齢者施設ではHIVやエイズはまだ身近に感じないかもしれません。しかし高齢化が進んでいる我が国や宮崎県の現状、そしてHIVやエイズの患者さんが増加していることを考えると、今のうちから正しい知識を持って対応できるようにしていかないといけないと思い今回の研修会を企画しました。受講者の皆さんは今日の研修会の内容を各施設に持ち帰り、倫理的な配慮も十分考えた上での対策マニュアルなどの検討をしていただけたらいいと思います」と挨拶しました。
講師は県立宮崎病院の院長、菊池 郁夫先生にお越しいただきました。菊池先生は昭和52年九州大学医学部を卒業。同59年東京医科歯科大大学院を修了され、九州大学生体防御研究所助手、米国City of Hope研究所研究員、県立宮崎病院内科医長、同病院副院長などを経て、平成27年から同院長を務められています。この日は大変お忙しい中を縫って講師を引き受けてくださいました。
研修会では感染症の定義にはじまり、感染症の分類、予防・ワクチン・標準予防策、そして各論、という流れで進められました。前半は高齢者の主な感染症である肺炎や尿路感染、そしてノロウイルスやインフルエンザなどの概要に触れた上で、院内感染防止策とし標準予防策と感染経路別予防策などの大切さについて説明がありました。また肝炎については肝臓の働き、肝臓が悪くなる経過、肝炎ウイルスの種類、そのうち我が国で重要なA、B、C型の肝炎ウイルスの特徴と感染経路、予防と治療法などについて学びました。
(つづく)