2019年 11月

キャリアアップ初級・中堅者研修開きました(県西地区:その2)

続いて介護老人保健施設こんにちわセンターの理学療法士で、当協会リハビリテーション研究部会の中村豪志委員長が「高齢者に多い障害の理解とADLケアのポイント」と題し演台に立ちました。

その中で脳卒中の基礎については、原因や分類に続き、運動麻痺や感覚麻痺、加えて高次脳機能障害や言語障害などの後遺症について「右麻痺は失語症を併発しやすい」、「左麻痺は半側空間虫を併発しやすい」など具体的な内容を詳しく解説した上で、「このようなことから、脳卒中になった人は様々な問題を同時に抱えていて、大変落ち込み、混乱しています」と言い添えました。

また高齢者の骨折については、骨密度の低下、関節の変形、筋量・筋力の低下、反射そして視力の低下などによって特に上腕骨骨折や胸椎・腰椎圧迫骨折、手首(橈骨)骨折、大腿骨頸部骨折を引き起こしやすいことを説明。その中で大腿骨骨折については関節包の内側と外側では治り方と治療法が異なることを踏まえ、大腿骨内側骨折で行われる大腿骨人工骨頭置換術後は「90度以上の屈曲、過度な内旋・外旋、内転・外転は脱臼の危険があるため避けましょう」と注意を促し、そうならないための生活上の工夫が示されました。

これらを踏まえて介護職員による要介護者の適切な介助方法について豊富な図や写真を用いた解説がありました。「要介護者はモノではなく感情を持った生体です。要介護者と介護者が適切に協調・連動することが必要です。そしてほめること、励ますことも重要です。要介護者ができた動作に対してほめてあげましょう」と、介護職員が要介護者と良好な関係を作り出し、自立する気持ちを持続させることの大切さを説きながら「職員こそ最も重要な環境です」と呼びかけると、受講者は真剣な表情で聞き入っていました。

(11月21日につづく)

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