このようにケアマネジャーが行うアセスメントの23項目が指定されている一方で、そのツールは様々あり、どれを用いても良いことに言及した三浦先生、宮城県のケアマネジャー法定研修で使われている宮城県版アセスメントシート「アセスメントのための情報収集シート128(居宅)」を紹介しました。これは特定非営利活動法人宮城県ケアマネジャー協会が作ったもので23項目が細分化され、128項目になっているもの。これを用いれば、ケアマネジャーは1件のケアプランを作るのに128項目のアセスメントを行うというもので「アセスメントの幅は非常に広いです。ケアマネジャーのアセスメントの特徴は幅なんです。これに対し、専門職のアセスメントは奥行きです」とし、普遍的な自立(どんな条件、環境でもできる)と限局的な自立(条件が整えばできる)の違いを踏まえたアセスメントを通じ、問題や支障があるか否かを判断していくやりかたを、実例に照らし合わせながら説明、「ケアマネジャーの価値観によってふるい落とされ、問題視、課題視されないものがあります」と警鐘を鳴らしました。
さらにIADLのアセスメントについては「簡単に置き換えがかなうのが落とし穴。IADLは、活動量にかかわってきます。認知機能についても安易な代替はいけません。安易に代替させてしまうと、体の活動、頭の活動がストップしてしまいます。特にIADLを適切にアセスメントしないとフレイルの入口に立たせてしまうリスクがあります。特にデイケア、そして在宅部門に勤めている方にとって、IADLはとても大事です。ここはリハ職に活躍して欲しいと思います。ケアマネジャーのファーストアセスメントであぶりだされない問題は、ケアに乗ってきません。かといってあとでやり直せるかというと、かなりタイムラグが生じます。そのタイムラグを誰かが気づいてやらないと本人が不利益を被ってしまいます。したがって、ここはいち早くリハ職が気付き、修正して欲しいと思います」と強調しました。
※特定非営利活動法人宮城県ケアマネジャー協会のホームページには、アセスメントシートをはじめ、様々な手引きや様式が公開され、活用を呼びかけていますのでご参照ください。
(つづく)