リハビリテーション研究部会がJAアズムで10月12日に開いた2024年度の研修会。講師には株式会社リエンズ看護小規模多機能型居宅介護リエンズおよび住宅型老人ホームリエンズの管理者で、作業療法士そして介護支援専門員の三浦晃先生を仙台市からお招きしました。
「テーマ1:外部から見えた老健の見え方とは?~居宅CMを中心とした老健の見え方・活用の仕方~」に続き「テーマ2:通所リハの利用者獲得に有効な手段とは~地域で生じている課題からニーズを読み解く~」に入りました。「大きく言うと施設であっても居宅であってもケアマネジャーのやるべきことの基本は同じです。ただし施設はひとつ屋根の下、勝手を知った仲間なので手続きをひとつふたつ飛ばしても問題ありません。居宅は厳しいです。ですから今日は居宅のケアマネジャーを軸にして話します」と話し始めました。
その最初の内容は「自立支援・介護予防の考え方」。「要介護認定を受けている人のうち、要介護2以下の軽度者が約7割を占めます。このうち半分以上にフレイルの要素があると言われています。フレイルは可逆性です。『ちゃんと適切適時に介入しれば治る』というのがフレイルの定義です。ですので軽度者の半分以上はしっかりとアセスメントして適時適切に短期集中介入すると基本は良くなります。中重度者の方は目の前に現れると片麻痺、歩き方異常など、見ればわかります。しかし軽度者は見ただけではわかりにくいです。ですからしっかりと家に行ってヒヤリングすることが大事です。例えばIADLに関して『私は掃除ができなくなった』という女性がいましたが、家に行ってみるととても綺麗にしている。それで尋ねると『換気扇の上が掃除できなくなった』ということでした。これは唯一無二の個人の価値観です。自宅に行ってヒヤリングしないとわかりません。ここをちゃんとケアプランに乗せてあげることが大事です。通所リハ生活行為向上リハビリテーション加算に代表されるように、迎え入れるだけではなく、アセスメント訪問もできるようになっています。ここを積極的に使うことが重要です。厚労省も平成27年に、能回復訓練などの高齢者本人へのアプローチだけではなく、生活環境の調整や、地域の中に生きがい・役割をもって生活できるような居場所と出番づくり等、高齢者本人を取り巻く環境へのアプローチが重要であると説きました。ADLが良くなった、ではなく社会的な地位、価値観を高めることを目標に据えていきましょう、と軽度者の目標を掲げました」と実例を交えて説明。社会的な地位、価値観にアプローチし、しっかり自立支援しながら活動・参加を促すことの必要性を強調するとともに、それらの取り組みの様子を、許可を得た上で動画や画像で記録し、改善した実例を1枚のポンチ絵にしておくことと、それが広告材料としても有効であるとのことでした。
(つづく)