2024年 12月

「生産性向上の取り組み」学びました(看護介護部会:その4)

このような生産性向上の取り組みを通じ、マナハウスで上がった効果について、坂下委員長は次のように説明しました。

【生み出された時間で人員不足が解消された】

◯1日あたり610分、約10時間、常勤換算で1.25人分の時間が生み出された

◯浮いた人件費を介護ロボットの導入およびランニング費用に充当できた

【採用費用を削減できた】

◯離職を防止することができ、1人採用する際に人材紹介会社に支払う手数料(約100万円)を削減できた

◯専門学校ではメーカーや業者による介護ロボットの授業があるが、マナハウスでは介護ロボット導入施設であることを、SNSを通じてアピール。それにより「選ばれる施設」となり人材が集まり、求人活動費や紹介手数料が削減できた

マナハウスがこのような取り組みを推進する背景となった要因の一つに、介護業界介護業界全体が抱える課題があったそうです。

つまり介護人材の不足に加え、今後生産年齢人口が減少することから、その予測値をマナハウスの1フロアあたりの介護職員数(正職員)に当てはめると、2020年の8人が2030年には7.44人に減少し業務量は1.07倍に増加、さらに2040年には同6.44人、1.23倍になると試算。

「これでは続けられるわけがない。だったら今から働き方を変えるしかない」と、将来を見据えた生産性向上を推し進めたマナハウスの取り組みを聞きながら、受講者は各自の施設に当てはめながら耳を傾けていました。

(つづく)

「生産性向上の取り組み」学びました(看護介護部会:その3)

特別養護老人ホームマナハウス(福岡市)ではこれらのICTツールに加え、介護ロボットや自動体位交換エアマット、高機能オムツなどを積極的に導入、これらを組み合わせて生産性向上をはかっているそうです。

そのうち介護ロボってについて、マナハウスは走行式リフト、移乗サポートロボット、電動リフトチェア(入浴支援機器)を導入し、ノーリフティングケアを実践。6ヶ月後に行った腰痛調査では、腰痛者が減少したという結果が出たとのこと。

また自動交換エアマットは、15分ごとに小さな体位変換を自動的に繰り返す機能がついているもので、利用者の快眠を守り、介護者の負担を軽減するもの。これを導入することで職員が介助する体位変換は、6~8時間に1回のみという説明に、受講者は興味津々の表情で聞き入っていました。

そんな受講者を見渡しながら、坂下委員長はこれらを導入することで向上した生産性について、具体的な数値を用いながら次のように説明しました。

【介護ロボットを活用して生み出された時間】

①見守り介護ロボット、見守り支援システムの活用により、安否確認のための定期巡回が減り、所要時間が導入前の133分から80分に削減できた

②体位交換エアマットの活用により、体位交換回数が減り、所要時間が導入前の200分から40分に削減できた

③排泄ケアに関し、高機能オムツ選定と技術向上を通じ、1人1日あたりの平均交換回数が導入前の4.99回から3.24回に削減できた

(つづく)

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