【感染性胃腸炎の原因】
「宮崎県ホームページ『感染性胃腸炎の注意喚起』」(http://www.pref.miyazaki.lg.jp/kenkozoshin/kenko/hoken/page00166.html)
も合わせてご参照下さい。
〇細菌によるもの・・・腸炎ビブリオ、病原性大腸菌、サルモネラ、カンピロバクターなど
〇ウイルスによるもの・・・ノロウイルス、ロタウイルス、腸管アデノウイルスなど
〇寄生虫によるもの・・・クリプトスポリジウム、アメーバ、ランブル鞭毛虫など
【ノロウイルス感染症】
→感染症としては「接触感染」と「飛沫感染」、食中毒としては「生ガキなどの二枚貝」と「ウイルスを保有した調理従事者による汚染」がある。
(1)感染してから症状が出るまで1日から2日かかる
(2)主な症状は嘔吐、下痢、発熱
(3)晩秋から冬期にかけて流行(つまりこれから!!)
(4)症状は1日から2日で解消する
(5)嘔吐や下痢の症状が消失しても3週間から4週間は便中にノロウイルスが排泄される(2日間程度は感染力が特に強い)
※症状が出る前にもウイルスは排泄される
【ノロウイルスの特徴】
(1)非常に小さい→インフルエンザウイルス(0.1マイクロメートル)よりも小さく、0.03マイクロメートルしかない。嘔吐物の湯気に混じって空気中に舞い上がり、それを吸い込んで感染することもある
(2)カキなどの二枚貝を生や加熱不十分な状態で食べると感染し、腸内で増える
→85度から90度で、1分半以上加熱!!
(3)感染力が極めて強い。少量のウイルス(10個から100個)で感染。
(4)ウイルスを持っていても症状が出ない人もいる
【ノロウイルスの治療と予防】
※特効薬はない!!
※特別な予防法もない!!→「手洗い」、「マスク着用」、「排泄物の適切な処置」
〇治療は対処療法が中心。
〇集団発生は食中毒の可能性あり→保健所へ連絡・相談
【ノロウイルス対策】
(1)環境:0.02%次亜塩素酸で消毒(金属部分は10分後水拭き)
(2)汚染物:0.1%次亜塩素酸で消毒か85℃1分間以上の熱水洗濯又はスチームアイロン2分間
(3)アルコールや石けんによる消毒は効果が弱いと考えられているが、手など次亜塩素酸が遣えないものにたいして使用(回数を増やして)。汚れやウイルスを物理的に洗い流す事はできる
(4)手は石けんによる手洗い(30秒)+流水すすぎ(30秒)+アルコール消毒2回(30秒×2)
【次亜塩素酸消毒液の作り方】
※原液濃度を確認すること!次亜塩素酸が入っていない漂白剤もある
※作った後は早めに使用する(2,3日)。日光に弱い(紫外線で分解される)ので、冷暗所に保管すること
※ペットボトルを利用する場合はラベルなどをつけて間違わないように
【嘔吐物処理の実際】:迅速かつ確実に処理すること!!
※「高齢者入所施設等感染対策ネットワーク会議『嘔吐物の処理方法』手順書」(https://web.pref.hyogo.lg.jp/eh02/documents/000171399.pdf)に図解入りで処理方法が掲載されていますのでご参照下さい。
(1)自分の身を守るために「手袋、マスク、エプロンの着用」
※脱ぎ方が重要:「手袋」→「エプロン」→「マスク」の順番
※最後に石けんと流水で手洗いを
(2)二次感染を防止するために:ウイルスは広く(半径約2メートル)飛散する。乾燥すると空気中に浮遊する
※「十分な換気」、「立ち入りの制限」、「広範囲の消毒」
【ノロウイルス対策セットの準備を!】
〇塩素系漂白剤
〇ペットボトル(500ミリリットル):0.1%濃度に調整した消毒薬を作るときに使用
〇ペーパータオル
〇新聞紙
〇使い捨てビニールエプロン
〇使い捨てマスク
〇使い捨て手袋
〇ビニール袋
〇バケツ
【ノロウイルスまとめ】
(1)マニュアルやノロ対策セットはすぐ取り出せる場所に置く
(2)スタッフへの周知
(3)「『感染症が発生しない』ということはない」ということを前提に
→いかに被害を最小限に食い止めるかということが重要!!
→いつ発生しても動けるよう準備を整えておく