「隠れ心房細動ゼロ‼️作戦」研修会開きました(看護・介護研究部会:その2)
宮崎大学医学部が中心となり、同大学の全ての学部が連携して取り組んでいるプロジェクト『みやざき健康街づくり構想 目指せ!健康寿命日本一』。その中核となっているのが“宮崎の「かくれ心房細動」ゼロ‼️作戦”。「一番確実に健康寿命を延ばせるのが心房細動を見つけ、早めに治療することです」と渡邉望先生は切り出しました。不整脈の一種である心房細動になり、心臓が血液をうまく送り出せなくなり左心房の中にある左心耳でできた血栓が血流に乗って脳の血管を詰まらせて生じる脳卒中(脳梗塞)。これが寝たきりになる原因の第一であること、心房細動になった人の約3分の1が脳卒中を発症すること等を説明した上で、「脳卒中を起こして運ばれてきたかなりの割合の人に心房細動があり『(脳卒中を起こす前に)わかっていたらなあ』と思い、それでこの“宮崎の「かくれ心房細動」ゼロ‼️作戦”に取り組むことになりました」と続けました。
「正常な脈はリズミカルですが、心房細動だとこれが不規則になります。脈のリズムがバラバラになるのが心房細動で、歳をとれば誰にでも起こり得るのですが、患者の約4割は無症状のまま発症します。これが『かくれ心房細動』で、そのままにしておくとある日突然脳卒中になることもあります。だからこそ早期の発見が大切です」と、実例を交えながら説明する渡邉先生に、受講者はうなずきながら聞いていました。
これを踏まえ、早期発見の方法の1つとして「自己検脈」の方法を学びました。①手首の親指側の橈骨動脈を探り、②①で見つけた場所を人差し指・中指・薬指の3本で押さえ、脈を探る。この時力が弱すぎても強すぎても脈が測れないので注意、③脈拍を測る。正常な脈拍は一定のリズムだが、心房細動はリズムがバラバラ。また1分間に50~100回程度が正常な脈拍の目安・・・という自己検脈の方法について、受講者は基本に立ち返りながら、真剣に取り組んでいました。
(※7月16日に続きます)