研修会開きました(在宅支援部会:その5)

 面白い中にも成年後見制度について深く考えさせられた劇が終わり、研修会はグループワークに移りました。劇の内容に関して、各グループで熱心な意見のやりとりが行われました。受講者は自らの経験談なども交えながら、真剣に話し合いを進めていきました。

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 最後に各グループで話し合った結果が発表され、研修会は終了しました。真剣な中にも和気あいあいと楽しく、充実した研修会となりました。

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(終わり)

研修会開きました(在宅支援部会:その4)

 休憩を挟んで研修会は第2部に・・・と思いきや、現れたNPO法人(申請中)「ままのて(http://mamanote.miyachan.cc/)」の理事で研修会進行役の井川壮士朗さん(ファイナンシャルプランナー他数々の有資格者です)に受講者一同あ然。

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(↑この格好で登場してきたのです)

 

 実は研修会の第2部は事例検証になっていたのです。老健施設に入所中の80歳男性とその息子、更に息子の妻とその兄が登場し、成年後見に関する寸劇が繰り広げられました(注:写真中に出てくる名前は全て架空のものです)

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おもしろおかしく演じられる劇に、受講者からは笑い声がわき上がりました。しかしその一方で、受講者にとってそれぞれ各施設で相談業務を行う中で経験し、直面する問題が盛り込まれたストーリーに、舞台には真剣な眼差しが注がれていました。

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(つづく)

研修会開きました(在宅支援部会:その3)

 自己紹介が終わっていよいよ研修会本番。第1部ではまず公的制度である成年後見について、特定社会保険労務士の大津留
矢樹さんによる講演がありました。

 「成年後見制度は、『病気や障害などで判断能力が低下し、自分の財産を管理することや、契約をすることなどが困難になった方の権利や財産を守るための制度』と定義されており、実質的には成年である本人に法定代理人を選ぶ制度です」と切り出した大津留さん。同制度が高齢社会への対応や知的障害者・精神障害者等の福祉の充実のためのものであることから、「後見人は『自己決定の尊重』、『残存能力の活用』、そして『ノーマライゼーション』の3つを必ず守ることが大事です」と念を押しました。

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 そして、本人の判断能力に応じて任意後見と法定後見があることや、法定後見は更に「補助」、「保佐」、「後見」の3つの累計に分かれ、与えられる権限も異なるとのこと。また、成年後見人ができることとして、(1)財産管理、(2)身上監護、(3)その他(本人が誤って行った悪質商法等の契約の取り消しなど)を上げました。一方、できないこととして(a)事実行為(本人の介護そのものや身の回りの世話など)、(b)医療行為の同意、(c)身体の強制を伴う事項(手術・入院・健康診断の受診など医療行為の強制、施設への入所の強制、など)、(d)身元引受・身元保証、(e)遺言や身分行為・一身専属的な行為(離婚・婚姻・養子縁組、延命行為の同意、など)、(f)死後の事務・・・の6つを示し、それぞれについて具体例を交えながら説明しました。

 続いて、4人によるパネルディスカッションがありました。それぞれの専門的な立場から成年後見制度に関する見解をわかりやすく説明していくと、参加者はメモを取るなどして、熱心に聞き入っていました。

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(つづく)

研修会開きました(在宅支援部会:その2)

 井川さんの挨拶に続き、他の3人の講師の自己紹介がありました。

 

 

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↑特定社会保険労務士の大津留 矢樹さん

 

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↑社会福祉士の日田 剛さん

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↑行政書士の品原正敏 さん

 

 全員この他にも様々な資格を有しておられ、くらしに関する様々な悩み全般に応じる相談会を定期的に開いているそうです(毎月第3日曜日の午前中ですが、11月はお休みとのことです。場所は宮崎市橘通のコミュニティーサロンままのて。電話0985-31-0500E-mailsalon.mamanote@gmail.com

(つづく)

研修会開きました(在宅支援部会:その1)

 (公社)宮崎県老人保健施設協会在宅支援研究部会は1026日、宮崎市のニューウェルシティ宮崎で研修会を開きました。各方面の専門家を招き、成年後見について学びました。

 今回の研修会は、各施設で相談業務に当たっている人が、現場で抱える諸問題の解決の糸口を見つけだし、利用者様およびご家族へアドバイスを行う上での参考にするとともに、より良い職場環境づくりの一助にすることが目的。会員老健施設等から50人が参加しました。

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(開会にあたり挨拶に立った同研究部会の溝口亮仁委員長)

  

 講師にお招きしたのは、NPO法人(申請中)「ままのてhttp://mamanote.miyachan.cc/」の相談員4名。4人の持つ資格を合わせると、行政書士、社会福祉士、精神保健福祉士、特定社会保険労務士、年金アドバイザー(2級)、宅地建物取引主任者、マンション管理士・・・などなど、上げるときりがありません。これらそれぞれの専門性を活かして、相続や遺言、年金、介護、子育てなど、暮らし全般について幅広く相談業務を行っています。この日はそのNPO化に向けた設立総会を開くという慌ただしい中を縫って駆けつけて下さいました。

 4人を代表して、「ままのて」の理事である井川壮士朗さんが「本日は私たちも皆さんから現場の問題を提示してもらい、その事例を体感することで求められるニードを認識し、勉強する場にさせていただきたいと考えています。そしてそれぞれの老健施設で業務に従事されている皆さんと、私たち専門士業との垣根をなくしたいとも思っています。堅苦しい話はここまでにし、これから和やかな研修にしていきましょう」と呼びかけました。

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4人を代表して挨拶した「ままのて」理事の井川さん。暮らし全般について幅広く相談業務をおこなっている「ままのて」。実はこの日の同一時間帯に、別な会場で認知症に関する研修会も開いていたそうです)

(つづく)

Over confidence is the worst enemy(油断大敵)

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 当然のことながら、自然災害は津波だけではありません。様々な災害、そして被害の状況をテレビ等で報じられる、その多さと甚大さを知らされます。そして「命を守る行動」について、常日頃から考え、備えておかなければならないと痛感します。

 老健施設に勤める者にとって、「リスク管理」は最重要事項の一つと言えます。しかし、その「リスク」は一つではありません。様々な場面で、様々なリスクがあることを常に意識して行動しなければなりません。それでもなお、予測や想像が困難な事象が発生することがあります。ですから、「これで絶対に安心!」という事はありえず、またそう思う気持ちの中にこそ、リスクは潜んでいるのではないでしょうか。

 宮崎市内で見かけた写真のような表示板を前に、そのような事を考えました。

霜月になりました

 気が付けば11月。「霜月」と呼ぶ通り、さすがに朝晩冷え込んできましたが、南の海では台風29号が西へ向かっています。なお、日本に一番遅く上陸した台風は平成2年の台風28号で、1130日に上陸したと言いますから、まだまだ油断はできないようです。

 ともかく平成25年、2013年もあと2か月となってしまいました。本当に早いものです。「速い」と表した方がいいんじゃないかと思うくらいです。

 そして11月と言えば、「第14回九州ブロック介護老人保健施設大会inみやざき」1114日(木)と15日(金)の両日にわたって、宮崎市の宮崎観光ホテルで開催いたします。おかげをもちまして、800名ほどの参加予定者となりました。関係者一同、充実した大会になるよう、ラストスパートで準備に当たっています。

 参加者、そして演題発表者の皆様のもとには、大会プログラムが届いている頃ではないかと存じます。お目通しのほど、よろしくお願いいたします。

噴飯もの

 マスコミ各社が報じ、記憶に新しい方も多いかと思いますが、「流れに棹さす」、「役不足」、「気が置けない」などといった慣用表現を誤って用いる人が増えているのだそうです。925日付けの「慣用表現の誤答目立つ」という見出しの日本経済新聞の記事には、「会話に支障も」というサブ見出しが立っていました。

 これは文化庁が925日に発表した2012年度の国語に関する世論調査の結果に関する内容。それによると、「傾向に乗ってある事柄の勢いを増すような行為」に用いる”流れに棹さす”を「傾向に逆らって、ある事柄の勢いを失わせるような行為」という正反対の意味に使う人の割合が2.5倍以上もいたのだそうです。同じように、「役不足(本人の力量に対して役目が軽すぎること)」、「気が置けない(相手に対して気配りや遠慮をしなくてよい)」なども、逆の意味に使う人の方が多いという結果が示されており、なるほどこれでは会話に少なからぬ支障を来しかねないと思いました。

 そういう慣用表現の一つに「噴飯もの」も取り上げられていました。本来の意味は「おかしくてたまらないこと」。つまり、我慢できずに口の中のご飯を噴き出してしまうくらいおかしい、ということですが、これを「腹立たしくて仕方がないこと」、つまり怒髪天を衝く(注:頭髪の逆立った、ものすごい怒りの形相。「怒髪天に達す」は誤り)ほど腹が立って、口の中の食べ物を噴き出しながらどなりちらす、という正反対の意味に用いる人の割合が倍以上いたとのことです。

 食事中の人がこのニュースに触れて、おかしくて噴き出すか、あるいは怒りのあまり噴き出すか、それはともかく、食事中に口から食べ物が出てくるという現象自体、正常な咀嚼および嚥下の流れとは正反対であることに疑う余地はありません。そして私たち老健施設に勤める者にとって、この現象には最大限の注意、そして対応が必要です。なぜならば、誤嚥性肺炎、さらには窒息のリスクに直結するからです。

 この記事が出る4日前の921日当協会支援相談員研究部会が開いた全体会(研修会)で、潤和リハビリテーション振興財団潤和会記念病院リハビリテーション歯科の歯科医師、清山美恵先生に、経口摂取と口腔ケアについて講演をしていただきました。その中で清山先生が摂食・嚥下障害に関して、このように言われていたのです。

「(摂食・嚥下障害の)更なる問題点は、胃の内容物が逆流することです。胃の中からもどしてきて、それが口から外に出てくれる力があればいいのですが、それができずにそのまま飲み込んで、それが気管に入り、更に肺に入る、これも誤嚥の一つです。運の悪い事に胃の中は非常に酸性度が高いので、肺に入っても酸性の状態になっています。それだけだったら抗生剤で治せばいいのですが、困るのはそれがのどで詰まってしまった場合です。食道を逆流したものが気管の中に入ってくれば肺炎で済みますが、気管をふさいでしまったら窒息です。抗生剤うんぬんの問題ではなく、死ぬんです」(参照:当協会10月1日付けブログ:http://www.miyazaki-roken.jp/blog/2013/10/2-8.html)・・・。

 喜怒哀楽、様々な感情が交錯するのが人間の性ですが、食事中に誤嚥、そして噴飯につながるような感情の乱れを招くことは、生命の維持が第一義であるところの食事が、逆に生命の維持を危ぶませることにつながりかねません。ですからこの場合、おかしくて「噴飯」、はたまた怒って「噴飯」、どちらもNGです。

 落ち着いて食事が摂れるよう、環境設定には十分配慮するとともに、咀嚼・嚥下が安全に行えているかを確認しながらケアにあたらなければならないという思った記事でした。

発表データ提出締切日です(九州大会)

 1114日(木)、15日(金)に開催します「第14回九州ブロック介護老人保健施設大会inみやざき」。ついにあと2週間となりました。発表を予定されている演者の皆様におかれましては、準備のほどはいかがでしょうか。

 発表データの提出は1031日(木)必着です。提出がまだお済みでない方は、お急ぎお手続き方お願いいたします。

目標変えず、方法変える

 「私の課長時代」は、日本経済新聞が毎週火曜日に連載している記事で、色々な企業や団体のトップで活躍中の人が、かつて課長クラスで働いていた頃を振り返り、その時に得た体験や教訓を語っているものです。現在はそれぞれの経営者として辣腕(らつわん)を

ふるっている人が、若かりし頃に色々な失敗や葛藤を繰り返しながらも、それらを乗り越えて成功した事例が紹介されていて、毎回楽しみに読み、そして学んでいる記事です。

 1022日の「私の課長時代」は、横川電機の社長、西島剛志さんの後編(下)。技術部の課長だった西島さんが米国企業との共同開発の窓口となり、仕事をする中で、部下から「納期に間に合わないかもしれない」と相談を受けた時「諦めるな」と叱ったそうです。「諦めれば、積み重ねてきたことが一瞬でゼロになってしまう」と。それに続いて西島さんは「『なんとかなる』という根拠を見つけ、根拠が間違っていないと思えばあきらめない。方法を変えることは構いませんが、目標や目的を変えてはいけません」と述べておられました。

 これを読んだとき、「業種が違っても、これは私たちの仕事でも同じことが言える」と思いました。介護保険サービスを利用される方はその利用にあたってもれなくケアプランが作成されます。そこにはご本人やご家族の意向を汲むとともに、心身の状態等を勘案し、各専門職がそれぞれの立場から出し合った意見や情報を踏まえた「目標(短期・長期)」が明記されます。そしてその目標達成のための具体策を盛り込んだサービス計画書を作り、そのプランに基づいたケアを行っていくことで、目標を達成していきます。

 したがって、その目標達成が困難だという事態に直面したとき、まずは「『なんとかなる』という根拠」を見つけることが重要だと思います。そしてその根拠が間違っていなければ、方法を変えることで目標達成を目指すべきだと。そうではなく、「この目標は達成できそうにないから、違う目標に変えましょう」と、安易に目標を変えて方法は変えない、というのでは本末転倒なのではないでしょうか。

 もちろん、モニタリングや担当者会議を行い、利用者や家族、そして関係スタッフと十分な話し合いを重ねた上で、「『なんとかなる』という根拠」が見つからなければ、目標を修正していくことはありますし、逆に見事目標が達成できた場合は、次なる目標を立てていくこととなります。

 西島さんはこうも言われています「どんな仕事にも価値があり、面白くない仕事はないということです。面白さは自分の取り組む姿勢によって変わります。内容で情熱を萎えさせるのはよくない」。老健施設に勤めている者にとって恵まれているのは、私たちがケアをする利用者様の数だけ目標があるということです。そして「利用者様の目標を達成することが私たちの目標」と言えます。その私たちの目標を変える事、すなわち「利用者様の目標を達成しないようにする」などということはできません。目標を変えることなく、方法を変えてみる、そして取り組む姿勢を変えてみる。そして目標を達成する・・・。かくありたいと思った記事でした。

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