老健みやざきブログ

猫走り

2011年11月21日 | 雑談

  「犬走り(いぬばしり)」は広辞苑にありますが(※)、「猫走り」というのはさすがにありません。しかし、現実にそれがありました。1016日、インドネシアであったマラソン大会。タレントの猫ひろしさんが、ロンドン五輪出場の切符をかけて出場、激走を見せました。カンボジアに国籍を変え、同国代表でのオリンピック参加を目指そうというのは、すごい執念というか、芸人魂です。

 結果は2時間3739秒で5位。これでは代表決定には不十分ということだそうで、17日の宮崎日日新聞には「猫さん五輪出場ピンチ」と小さく乗っていました。だけどこのタイム、一芸人として、はたまた一市民ランナーとしてのフルマラソンのものとしては、すごいのです。100メートルを22.4秒ちょっと。それを延々42.195キロ維持するというのは並大抵のものではありません。

「サブスリー」という言葉があります。フルマラソンを3時間以内で走りきることを言う、市民ランナーの憧れであり、目標でもあるのですが、全市民ランナーの中で、これを達成できるのは、わずか1%というデータもあるほどで、一般人(もちろん芸人も)が3時間を切ることがいかに大変かがわかります。それに対して今回の「猫走り」。一般ランナーのタイムとして見れば驚愕と賞賛に値します。お笑い芸人という、昼夜を問わない不規則な仕事の合間を縫って、相当にハードな練習を積み重ねてきたのだと、頭が下がります。今後の選考レースで、さらに良い結果を出して、オリンピック出場を果たして欲しいと思います。

 ところで、猫ひろしさんに代表されるように、最近のお笑い芸人には、単に笑いをとるだけではなく、それとは別に人から「すごい!」とリスペクトされる特技や才能を持っている人が多いという傾向があるようです。また、それを題材にして、一流アスリートや格闘家などと、お笑い芸人が対戦するテレビ番組も好評です。本業の「笑い」の部分だけでなく、「達人」としての真剣で感動的な一面を見せることで、「この人、普段はばかなことばっかりやってるけど、実はこんなすごいところもあるんだ。見直したなあ」と、その芸人に対する評価は大きく違ってくるように思います。

 そのように考えたとき、私たち老健に勤める者も、このようなお笑い芸人に見習うべき所が少なからずあるのではないか?と感じました。すなわち、利用者と接する上で、それぞれの専門性を発揮するのは当然として、それにプラスアルファとなるような何かがあるといいのではないか、と。それがあると、「あんたはすごいねえ」と、利用者様とコミュニケーションを深める上で好材料となるだけでなく、色々な趣味や特技、才能を持ったスタッフが集まることで、施設全体として、その魅力は何倍にも増していくのではないでしょうか。「芸は身を助ける」と言いますが、スタッフそれぞれの「芸」は施設をパワーアップし、利用者様の「その人らしい」生活づくりを支援することにつながるのではないかとも思います。

 猫ひろしさんの本業であるお笑い芸が、どのくらい面白いのかはさておいて、マラソンに頑張って打ち込んでいる姿を見ると、応援したい気持ちになります。私たちも、与えられた仕事をただこなすだけでなく、それに付加できるような何かを身につけておくといいのかもしれない、とふと思ったニュースでした。

 マラソンと言えば、昨日(20日)行われた横山国際女子マラソン。優勝は木?良子選手。尾崎好美選手との抜きつ抜かれつのデッドヒートを制しての勝利、感動的でした。こちらはオリンピック出場、ほぼ確実でしょう。来月は男子の選考レースの一つ、福岡国際マラソンがあります。今日のような手に汗握る激走を見せて欲しいですね。 

 

(※)いぬ‐ばしり【犬走り】

小股にちょこちょこ走ること。浄瑠璃、新版歌祭文「一時三里―日暮までには戻つてくる」築地ついじの外壁と溝との間の狭長な空地。後世、城郭の牆かきにその形が残った。犬行いぬゆき。(広辞苑より)

さぎりきゆるみなとえの

2011年11月18日 | 雑談

 “さぁぎりきぃーゆる、みなとえのぉー”で始まる「冬景色」という歌をご存じの方も多いかと思います。上野発の夜行列車を降りるやつではありません。作詞・作曲者は「不詳」だそうですが、大正25月の「尋常唱歌(五)」に掲載されているそうですから、今からなんと98年も前から歌われている名曲です。ある程度の年齢に達した人ならば、小学校の音楽の授業や朝礼で、白い息を吐きながら歌ったことがあるのではないでしょうか。

 しかし、子供のときに覚えた歌というのは、えてして歌詞の意味を理解することなく、耳で聞こえたまんまで覚えることが多いです。この「冬景色」にしても、冒頭の、「さぎりきゆるみなとえの」とは一体なんぞや?などと首をかしげることもなく、「ふねにしろしあさのしも」と続けていました。

 それが今頃になって、「“さぎり”とはなんぞや?“みなとえ”ってなんじゃ?」と気になって、歌の本を開いてみました。

 書いてありました!「さ霧消ゆる湊江の 舟に白し朝の霜」と。広辞苑を開くと、「さ‐ぎり【狭霧】:(サは接頭語)霧。〈季〉秋」。そして、「みなと‐え【港江】:港のある入江」だそうです。つまり、「霧が消えた港のある入り江において、船に白い朝の霜が降りている」ということになるのだとわかりました。小学校では難しい漢字は使いませんから、そこまでの理解には至らなかったというのも一因かもしれません。

 ここで重要なことに気づきました。「さ霧(狭霧)」が秋の季語だということです。つまり、この歌は、冬まっただ中ではなく、初冬の時期に、「秋には霧がかかっていた港のある入り江で、その霧が消えて、かわりに霜が降るようになった。もう季節は冬なんだなあ」という風景と心情を描写しているのだとわかりました。だから「冬景色」というわけなんだ、とひとりごちてしまいました。先述の通り、だれが作ったかわからないこの歌ですが、なんと詩心、歌心のある人なのだろう、と感服せずにはおれませんでした。だから、ほぼ一世紀の時を経ても歌い継がれているのでしょう。

 ここ数日、めっきりと朝晩の冷え込みが厳しくなってきました。まさにこの「冬景色」の歌のごとしです。そして、今度の月曜日(21日)は気温がぐーんと下がるとの予報。老健に勤める皆様におかれましては、利用者様はもとより、ご自身の体調管理にも十分ご留意ください。

 ところで、再び「冬景色」の歌に戻りますが、3番になると、「もしともしびのもれこずばぁー、それとわかじぃのべのさと」と締めくくります。これはまたひらがなでは難解。「もし燈火の漏れ来ずば、それと分かじ野辺の里」とありました。「もしも、灯した明かりが漏れて来なかったら、それが野辺の里とはわからなかったことだよ」ということでしょうか。

日本には素晴らしい歌がたくさんあります。それらの歌詞を今一度、じっくりと読み込んで、理解を深めたり、魅力を再発見したりして、新たな気持ちで歌い直してみようと思いました。

震災マニュアルをアップしました。

2011年11月17日 | 協会活動報告

 去る1025日に開かれた、公益社団法人全国老人保健施設協会第1回臨時社員総会において配布された”介護老人保健施設「震災マニュアル」(暫定版)”を、PDFファイルにて「お知らせのページにアップしましたのでご活用下さい(サイズ:2.15MB)。

なお、これは、11月7日付文書にて当協会より会員施設宛に送付したものと同じ内容ですので申し添えます。

 

 

気になった題字下

2011年11月16日 | 雑談

  新聞の題字下というのは、地方版のページの右上、宮崎日日新聞なら「きりしま」、「日南・串間」などのタイトル(題字)の下にあるコーナーで、管内の小ネタや、記者やデスクの雑感が書いてあります。紙面の中ではそんなに比重が大きいというわけではなく、読み流せばそれで終わり、という内容も多いわけです。

 しかし、1112日の同紙県央版の題字下、「鬼の洗濯岩」は聞き捨てならない、ならぬ、読み捨てならない内容でした。記者が病院にかかったところ、手当てしてくれた看護師が、ほかの看護師と雑談しながらだったので「少しがっくりきた」とのこと。これを踏まえて、「その世界での仕事経験が長くなるほど『一般の感覚』からずれていく」と指摘していたのです。

 店員が客と接し、教師が生徒と接するように、老健に勤める者が高齢者と接することは、すべからく当たり前な当然の必須事項です。しかし、当たり前だからこそ、その中で「『一般の感覚』からずれて」いってはいないでしょうか。利用者という「人」を、「物」みたいに機械的に扱ってはいないでしょうか。また、ある施設での常識が、他の施設から見ると非常識であったりすることはないでしょうか?「ない!!」と断言できるでしょうか。全国各都道府県の、他からみればびっくり仰天するような食事や言葉、習慣などを紹介するテレビ番組が人気を呼んでいますが、それとこれとは話が別です。この題字下を読んで、今一度初心に立ち返り、自らの言動を見直そうと思いました。 

 (社)宮崎県老人保健施設協会にはさまざまな研究部会があり、会員施設を対象にした研修会や勉強会を開催し、各々の資質の向上のみならず、情報の交換を行っています。さらに、協会の年間最大の行事とも言うべき研究大会を毎年開催し、各施設での優れた取り組みについて発表するとともに、活発な質疑応答をする中で、相互交流と自己研鑽をはかる場となっています。開催にあたっては、各会員施設宛てにファックスで通知するほか、当ホームページ上でも随時お知らせしていきますので、奮ってご参加下さい。

リンカーンの生きがい

2011年11月15日 | 雑談

 「僕もこうして人間に生まれてきたんだから、やはり、何か、生きがいが感じられるまで生きている義務がある」と述べたのは、アメリカ合衆国第16代大統領、A.リンカーンです(『生きる勇気がわく言葉』夏村波夫、雄鶏社)。

 奴隷解放を宣言し、「人民の人民による人民のための政治」という、民主主義の理念を唱えたリンカーン。不幸にも観劇中に凶弾に倒れたことを小学校の頃、図書室の児童書で読みました。やり遂げた功績は偉大ですが、リンカーン自身、彼の言うところの「生きがいが感じられるまで生きている義務」を果たしたのか?あまりにも唐突な、そして不本意な亡くなり方だったため、それを確かめるよしもありません。

 しかし、リンカーンが残したこの言葉は、私たちに老健に勤める者にとっても貴重な教訓だと言えるでしょう。広辞苑で調べると「生きるはりあい。生きていてよかったと思えるようなこと」とある「生きがい」。リンカーンの言葉に代入すれば、「”生きていてよかったと思えるまで”生きている義務がある」ということになります。「権利」ではなく「義務」だと言い表したところに、リンカーンのこの言葉の重さはあるように感じます。

 「生きがい」と簡単に言いはすれども、利用者に生きがいを持って暮らしてもらうために、そして生きている義務を果たしてもらうために、私たちのすべきことは簡単では無いのだ、と思い知らされる、そんな言葉だと思います。

なりちゅう

2011年11月14日 | 雑談

 「なりちゅう」と言ってもネズミの一種ではありません。中学校の愛称でもありません(これは実際にあるかもしれませんけど・・・)。「今後の成り行きが注目されます」で締めくくる新聞やテレビのニュース原稿を「なりちゅうもの」「なりちゅう記事」「なりちゅうネタ」などと言います。もっとも、その報道機関が、そのニュースについて、その後を本当に注目していくかどうかは定かではありませんが・・・。

 しかし、これは正真正銘の「なりちゅう」です。ついに日本が貿易やサービスの自由化を図る環太平洋連携協定(TPP)交渉参加に向けて、関係国との協議に入ることになりました。シンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイ、米国、オーストラリア、ペルー、ベトナム、マレーシアの9カ国で交渉中の自由貿易協定(FTA)で、これらの国の間では、色々なもの貿易が、関税なしで、自由にできるようになるのだそうです。

 このTPP参加については賛否両論の立場から、与党内でも激論が交わされています。特に農業を基幹産業とする宮崎県においては、少なからぬ影響が出るものと報じられています。また、農業だけでなく、医療分野をはじめ、私たちの暮らしを取り巻く多くのことについて変化がもたらされるのではないか、とも。

 良い影響、良くない影響、色々あると思いますが、これは本当に「なりちゅう」です。宮崎が、そして日本がどう変わって行くのか?今後の成り行きが注目されます。

 そして、今の日本を築き上げてきた人達──もちろん、今老健を利用されている方達も含まれます──が、これから変わりゆくであろう日本や郷土の姿を見て、どう感じられるか?それについても「なりちゅう」です。温故知新。時には「こうしたらいいんじゃないか?」と助言や知恵を頂きながら、次の世代の人達にとって、暮らしやすい日本、そして宮崎になっていくとよいと思います。

1が6つ並ぶ日

2011年11月11日 | 雑談

 今日は20111111日。なんと16つも並ぶというすごい日です。これにちなんで、きっといろんなイベントも催されることだと思います。さらに、本日の午前と午後、2度訪れる、20111111111111秒となると、112個も並んでしまいます。その瞬間、ぴょんとジャンプして、「オレ、その瞬間、地球におらんかったっつよ」と古典的なギャグを披露する人もいたりするのではないでしょうか。

1111日は毎年来ますが、次に15つ以上並ぶのはいつか?と思ったら、2111年、11日。続いて2111111日、2111111日ときて、21111111日になると、17つ並びますが、なんと百年先の話。それを思うと、いかに今日という日が奇跡的(?)な日か、と考えさせられてしまいます。

「一の今日は、二の明日にまさる」とは、フランクリンの言葉だそうです(『リーダーシップ名言集』、鎌田 勝、三笠書房)。今日やるべきことを明日に延ばすな、要するに、Don’t put off till tomorrow what you can do today.ということです。1がずらーりと並んだこの記念すべき日に、つまり、「二の明日」になるその前に、この言葉の重さを噛みしめながら過ごしたいと思います。

おっと、大事なことを失念していました。今日、1111日は介護の日「いい日、いい日、毎日、あったか介護ありがとう」という気持ちをこの日に掛け合わせているのだそうですが、個人的には金八先生の「いいですかぁー、みなさん。人という字はぁ、ひと(1)とひと(1)とがぁ支え合って生きているんです」という、あれを連想してしまいます。先述の通り、毎年やってきます。老健に勤める者の一人として、日頃の介護のあり方を振り返り、新たな気持ちで第一歩を踏み出すための日にしたいと思います。

栄養教室開きました(栄養給食部会)

2011年11月10日 | 協会活動報告

 (社)宮崎県老人保健施設協会栄養・給食研究部会は118日西都市の西都市民会館で高齢者栄養教室を開きました。講義や実習を通じて、食事摂取に関する高齢者の能力の変化や、それを補う高齢者ソフト食について理解を深めました。

 今回の教室は西都・児湯地区の4老健施設(菜花園、シルバーケア新富、なでしこ園、並木の里)のほか、同地区の関連施設が対象。管理栄養士をはじめ、調理に関わる職員、看護師、介護支援専門員、さらには利用者のご家族など、36人が参加しました。

 

IMG_1537.JPG 教室ではまず、高齢者ソフト食について、潤和会記念病院の管理栄養士、納富祥子さんが、スライドを用いて講義を行いました。高齢者は嚥下(飲み込み)が悪くなり、食道に行くべき食べ物が、気管を経て肺に達し、肺炎(誤嚥性肺炎)を引き起こす危険性があること。また、加齢に伴い、味覚やかむ力が衰え、唾液の分泌量も減少。食事が楽しくなくなるだけでなく、低栄養、脱水、窒息などの危険性が高まることなどの問題点が説明されると、参加者は真剣な表情で聞き入っていました。

 これに対して、高齢者ソフト食は、(1)しっかりとした形がある、(2)適正なサイズで口にとりこみやすい、(3)適正な硬さでかみやすい、(4)まとまりやすい、食塊(食べ物のかたまり)形成がしやすい、(5)適正なすべりをもち、移送しやすい、(6)適正なスピードで飲み込みやすい・・・などのメリットがあり、それらの問題が解決できるとし、導入までの流れや、主食やおかずなど、それぞれにおけるソフト食の種類、特徴などが紹介されました。

 

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「気さくな話し方でわかりやすい」と好評だった納富さんの講義。

 

 

 続いて、調理実習。この日取り組んだソフト食は、巻き寿司、あおさのみそ汁、鶏の唐揚げ、そしてなすのずんだ和えの4品目。まず、作り方を習った後、さっそく調理実習室に移動。4グループに分かれて、調理を行いました。巻き寿司は、米を炊く直前にゼラチンパウダーを入れてかき混ぜること、唐揚げの衣は、まず小麦粉、次に溶き卵の順番で別々につけること、なすは皮をむいて、繊維に直角に切ることなど、参加者は資料を確認し合いながら作業を進めていきました。

 

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  「簡単!家でもできそう!」と評判でした。

 

 

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↑↓巻きずし。ゼラチンごはんは冷やすとまとまり、調理しやすくなります。

 

 

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IMG_1588.JPG ↑なすのずんだ和え。なすは繊維に直角に切るのがポイント!

 

  

 

IMG_1592.JPG   ↑すごくやわらか!鶏の唐揚げ。

   

 そしていよいよ試食会。見た目の色や形は普通の食事と変わらないのに、実際に口にしてみると、講義で学んだ通り、適度な硬さやまとまりやすさ、そして口からのどに運ぶ際のなめらかさに、参加者は驚いたり、納得したり。それぞれ感想を出し合いながら、有意義なひとときを過ごしました。

 参加者からは、「本を見たり、話を聞くだけではわからなかった部分が、実際作ってみることで理解できた」、「初めてソフト食を作ってみたが、手軽にできたのでびっくりした」、「とてもおいしく、感動した」などの意見が寄せられたほか、それぞれの施設や家庭でも作ってみようという声も多く聞かれ、今後につながる楽しく、おいしい教室となりました。

 

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和気あいあいの中にも、メモをとるなど熱心に行われた試食会。

老後をロボットに託すのか? 否!

2011年11月9日 | 雑談

  112日の朝日新聞に、「トヨタ発 介護・医療ロボ」という記事があったのを読まれた方も多いかと思います。体の不自由な人や高齢者の自立歩行をたすけたり、ベッドから人を持ち上げて、トイレに移動させたりするロボットを、2013年以降に実用化するのだそうです。同日付の各紙に同じ記事が載っていましたので、それだけ皆の関心も高いことがうかがえます。

 価格は未定とのことですが、これが実用化されれば、私たち老健に務める者の仕事は減るのでしょうか?あるいは、私たちの仕事そのものが、ロボットに取って代わられるのでしょうか?食事介助ロボット、入浴介助ロボット、排泄介助ロボット・・・。日本人の老後はロボットが見ることになるのでしょうか?そうではないと思います。

 「やさしい言葉は、たとえ簡単な言葉でも、ずっとずっと心にこだまする」とは、マザー・テレサの言葉です(『いい言葉は、いい人生をつくる』、斎藤茂太、成美文庫より)。そしてその言葉とは、機械が発するものではなく、生身の人間が、心を込めて語りかけることで、相手の心の中で共鳴し、残響し続けるものなのではないでしょうか。

 未来。ある一人暮らしの男の部屋。彼に限らず、人々の身の回りの世話は全てロボットがやってくれる時代。いつもの朝と同じように、身体を起こし、顔を洗い、髭を剃り、着替えをし、朝食を食べさせ、歯を磨く。全ての動作をロボットが「機械的」に話しかけながら淡々とこなしていく。彼が死んでいるとも気付かずに・・・。そのような内容のショート・ショートを、星新一さんが書かれていました(タイトルは忘れてしました。ずーっと前の作品です)。

 そんな未来を、そんな老後を望む人は果たしてどのくらいいるでしょうか。重要なのは、ロボットをいかに有効に使うか、ということです。ロボットを活用することで、人間の負担や疲労、そして危険を軽減する一方で、人間は心を込めた介護に専念する。それにより、人間は人間らしく、心豊かな生活を送ることができるのではないでしょうか。そういう時代が到来したとき、今以上に介護の本質が問われるようになるのではないか、と思ったニュースでした。

研修会を開きました(ケアプラン研究部会)

2011年11月8日 | 協会活動報告

 ()宮崎県老人保健施設協会高齢者ケアプラン研究部会は115日(土)、宮崎市花山手の宮崎市民文化ホール会議室で、リーダー研修会を開きました。今回は熊本から「()地域ケアプラン研究所・海(かい)」の大石逸子代表を講師に招き、施設ケアプランの効果的活用について学びました。会員施設等から57人が受講しました。

 大石先生は医療法人萬生会西合志病院副院長兼総婦長を経て独立。同研究所を開設されました。現在、熊本県および宮崎県の介護支援専門員現任教育教師や日本総合研究所講師、熊本看護専門学校講師なども務め、さらに九州各県で市町村介護給付適正化事業に関わったり、NPO法人理事、第三者評価委員もこなされるなど、八面六臂の活躍中です。この日はそんな激務の合間を割いて駆けつけて下さいました。

 

 

 

IMG_1501.JPG  エネルギッシュに語る大石先生。 時間がいくらあっても足りないくらいのためになるお話でした。

 

 「老健が老健の役割を果たさなくなくなっている。介護保険前は自宅にちゃんと帰していたが、介護保険が始まったと同時に、老健全体が特養化しだした。『老健って何なの?』と問われる時代がもうそろそろ来る。私は介護保険が始まるずーっと前から老人と関わってきた。寝かせっきりの時代もあった。それじゃあいけない、と平成元年あたりから言い出して、平成2年から家に帰そう、と取り組み始めた。そうすると、帰れない人はいない。これは現場で何十年やってきて確信したことだ。『うちの施設は帰れない人が多いんです。家族が受け入れられないんです。行くところがないんです』と言ってる施設が、要らない施設になる。これは間違いないことだ」──。開口一番、老健がその本質的使命である、在宅復帰機能を果たしていない現状を切り出した大石先生の話に、受講者の背筋がピンと伸びました。

 

IMG_1506.JPG 一言も聞き漏らすまい、と熱心に聞き入る受講者の皆さん。

 

 利用者の意欲を高める支援方法や、多種チームとの連携の重要性、「生活支援」の視点と施設ケアプランのあり方、さらにそれらのために必要となる能力などについて、スライドを用いて講義が行われた他、グループワークも交えながら研修が進められました。

 講義の中で、大石先生は「ケアプランで人を教育し、組織を育成できる」と強調されていました。ケアスタッフを教育していくには、(1)理念、方針、考え方、現状を直接示す、(2)ケアに関連した学習ができる環境をつくる、(3)患者が療養しやすい環境をつくる努力をする、(4)スタッフが教える、尋ねられる環境をつくる・・・の4つを、また、組織を育成するためには、(1)指示命令系統をはっきりさせる、(2)確実に指示、決定事項が伝わるようにする、(3)管理者を育てる・・・の3つを示されました。

 一方、利用者や家族との関係において、「ケアプランは契約!3ヶ月の目標を立てておきながら、3ヶ月後それを果たせていなかったら契約違反。『訴える』という人が出てきてもおかしくない」と指摘。ケアプランの重要性を改めて思い知らされました。

 グループワークでは、参加者自身やそれぞれの職場について、その強みや弱み、機会、諸環境などについて各自が分析した後、意見を交換し合いました。

 

 

 

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グループワークでは、各自がそれぞれの現状を踏まえ、意見を交わしました。

 

 研修の終わりに、「強みをいかに機会に変えきるか、それがこれからの皆さんや、皆さんの職場が生き生きする方法論だ。そうするとケアプランも生き生きする。自分たちで自分たちの職場を悪循環から良い循環に変えていくしかない。今回の研修を、自分や職場の強みと弱みを考え、どういうケアマネージャになりたいか、どういうケアプランを作りたいか、を考える機会にして欲しい」と締めくくられた大石先生。限られた時間の中で、本当に内容の濃い研修会となりました。

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