老健みやざきブログ

転倒予防学びました(リハ部会:その3)

2015年7月30日 | 協会活動報告

(3)様々な状況が重なることによって生み出すリスクとして、事例(3)「以前はシルバーカーで利用者様は移動していました。ある日、転倒(受傷)したため入院となりました。」

車椅子での移動となり、トイレで事故が起こりました。事故内容は、手すりのない一般用のトイレで転倒しました。事故理由としてなぜ、一般用のトイレで転倒したのでしょうか?

 

職員Aさんの転倒理由としては、「車椅子のブレーキを忘れていたから」「認知症?」「初めて使う車椅子だから」「手すりのない一般用のトイレを使用したから」などほとんどの状況が(2)「環境の相違が生み出すリスク」により転倒したのではないかという理由。

 

職員Bさんの転倒理由としては、「認知症の疑いはありましたが、なぜ、手すりのない一般用のトイレに行ったのか、病院には手すりのあるトイレがあるのに・・・本人に聞いてみようかな?」と素直に考えました。

すると、利用者様は、「手すりのあるトイレに行ったのですが、先に人が入っていて・・、我慢ができず、別のトイレにいきました・・少しは手すりなしで歩けると思って」と答え、一般用のトイレに行くしかない状況であったことが把握できました。同時に話を聞くことの大切さもわかりました。

対策としては、状況が絞られていますので、トイレに手すりをつければいいという事が考えられます。

 

ここでは、認知症という先入観が生み出すリスク(スタッフの先入観や慣れ)と、不慣れな車椅子使用や環境の変化(本人様の先入観や慣れ)が考えられます。つまり、(3)様々な状況が重なることによって生み出すリスクとは?1.習慣が生み出すリスク(スタッフや本人様の先入観・慣れ)と2.環境の相違が生み出すリスク(車椅子やトイレの環境)が重なり事故が起こることもあります。

先入観をもたず、傾聴すること、つまりその人の生活を意識(知る)することも大事です。

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(つづく)

転倒予防学びました(リハ部会:その2)

2015年7月29日 | 協会活動報告

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似たような話としては、介護者と要介護者の話におきかえると・・・以前は入浴後は自分で更衣を行っていましたが、時間がかかるので、介護者が更衣を介助するようになりました。

すると、この利用者様は自分で更衣をすることはなくなり、待つようになりました。更衣をやっていただけるものとして、待つ習慣がついてくるようになりました。

いわゆる、日々の業務のなかの「習慣が生み出すリスク」の1つではないでしょうか?

この状況を作っているのは本人様だけでなく、ケアを提供している私達にあるのかなという視点をもつことが大事だと思います。

対策としては・・・できるだけ本人様にしていただけるように心掛け、本人様の手などを触って(添えて)行っていただくこと。つまり、習慣化を意識していくこと(条件反射?)になりリスク減少につながるのではと考えます。日々麻痺していく感覚の中でこういうことに気づくだけでも違うのではないでしょうか?

 

(2)環境の相違が生み出す転倒リスク?事例(2)として、「生活の中で利用者様は自分に合った車椅子で両足駆動をしていました。ある日、その車椅子が故障しました。」だから、施設にあるやや大きめの車椅子をしばらく使うことになりました。

利用者様はいつも通り車椅子を両足で駆動しようとして、車椅子からの滑り落ちの事故がありました。では、なぜ滑り落ちたのでしょうか?

事故理由として、本人にとって不慣れな車椅子だったからとか、高齢であったから、認知症であったからというように、本人様のみの原因でしょうか?

 

利用者様は両足駆動のため、施設の車椅子では床面に足が届かなくなり、いつもより浅く座った状態で駆動していた為滑り落ちがあったのではないだろうかと考えられます。

 

事例として、「車椅子のブレーキ忘れによる転倒事故」ですが、同じ状況です。

事故理由として、利用者様が使用していた施設の車椅子は、ブレーキが固く利用者様自身ではブレーキが掛けられないために起こったという事も考えられます。

 

例えば車椅子に空気を入れて、そのまま確認しないで、ただ入れましたという事ではブレーキが固くなっていることも多くあります。高齢者や麻痺のある方はどうでしょう?空気を入れたら確認をして調整するひと手間で防げる事もあります。利用者様の立場で考えてみて気づきましょう!という事です。

 

例えば左ハンドルの車と右ハンドルの車では、ウインカーとワイパーが反対になっていることは、頭では理解していますが、ついつい間違ってしまう経験はないでしょうか?

身体が覚えてしまっている為に、このように車椅子が変わってもいろんな事故が起こってしまう、「環境の相違が生み出すリスク」の1つではないかと思います。

 

対策としては、できるだけ同環境・同条件に近いものを使用する。できるだけ使い慣れたものを提供する。本人様の立場をできるだけ理解する事が大事ではないでしょうか?

逆に考えれば、新しい環境(不慣れな環境)では注意が必要ということになります。(事故が起こり易い)。

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(つづく)

転倒予防学びました(リハ部会:その1)

2015年7月28日 | 協会活動報告

718日(土)に宮崎リハビリテーション学院にて、リハビリテーション研究部会研修会が開催され55名の参加者がありました。

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(↑開会にあたり挨拶に立った同部会の中村豪志委員長)

今回のプログラムとして、講演1「施設での転倒原因と対策について」、鶴田病院の理学療法士、濱砂好治さんと、講演2「転倒・骨折に関して」、はまゆうの理学療法士、迫田勇一郎さんの講演がありました。その講演の概要を連載していきます。

 

【講演1.「施設での転倒原因と対策について」:鶴田病院理学療法士、濱砂好治さん】

まず転倒のリスク要因として、内的因子・外的因子・その他の因子の3つが挙げられます。内的因子については、加齢や使わないことによる移動能力とバランス能力の低下、特定の病気(脳卒中後遺症、パーキンソン病、認知症、視力障害など)、薬剤による薬理作用(睡眠薬、抗不安薬、多剤の服用など)らが考えられ、本人の身体の状況に合わせての因子。

外的因子は、段差、滑りやすい床、履物、つまずきやすい敷物、電気器具のコード類、照明(の不良)など、の因子。

今回は、その他の因子について講話をいただきました。

 

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その他の因子として・・・・・・(1)習慣が生み出す転倒リスクとは?事例(1)として、「日常生活の中で利用者様がブレーキやフットサポートの上げ下ろしを以前は自分で実施していました。」しかし、それが、「日常業務の中で時間がないためブレーキやフットサポートの上げ下ろしを介護職員が実施するようになりました。」

そういう状況の中で、ある日利用者は職員がいない状況で移乗しようとします・・・

さて、どうなるでしょうか?当然事故のリスクが高まり事故が起こりました。

事故報告書での事故内容をみると、ブレーキを本人が忘れていました。とか、フットサポートを本人が忘れていましたなど、事故報告書が書かれています。なぜ忘れていたのかでしょうか?というのが事故理由であり、そこを考える必要性があります。

 

では、なぜ忘れていたのでしょうか?

事故理由として考えてしまうと、うっかり忘れていたからとか、高齢であったから、認知症であったからなど、そういう理由があるのかもしれませんが、もっと深く掘り下げてみると、本人様自身のみの原因だけでしょうか?という事が考えられると思います。

 

つまり、日常習慣の中で利用者様がブレーキやフットサポートの上げ下ろしを以前は自分で行っていました。しかし、日常業務の中で時間がないためブレーキやフットサポートの上げ下ろしを介護職員自身が行うようになりました。 こうなると利用者様はどうなるか?というと利用者様は自分でしない習慣が徐々に身についてくるのではないか?身についていない状況で動作をするとどうなるか?ということになります。

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(つづく)

長寿の里を取材しました

2015年7月27日 | 協会活動報告

 (公社)宮崎県老人保健施設協会広報部会は710日、串間市にある医療法人秀英会介護老人保健施設長寿の里を訪問しました。

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 これは当協会が年2回発行している広報誌「老健みやざき」の企画記事”老健ルポルター寿(じゅ)”の取材活動として、宮崎県最南端の串間市唯一の老健である長寿の里を訪ねたもの。モットーである「ふれあい」「やさしさ」「おもいやり」が施設中にあふれる中、役職員が明るく元気に働く様子や、笑顔いっぱいで生き生きと過ごされる利用者の様子を取材しました。役職員や利用者の皆様には多大なる取材協力をいただき、誠に有り難うございました。

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006DSC00769.JPG007DSC00681.JPG008DSC00755.JPG 「老健みやざき 32号」は今秋発行し、”老健ルポルター寿 in 長寿の里”はその巻頭を飾る予定です。お楽しみに。

総務委員会開きました

2015年7月24日 | 協会活動報告

 当協会の今年度第2回の総務委員会が710日、宮崎市でありました。13人が出席し、各研究部会の活動状況や第12回研究大会などについて話し合いました。

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この中で事務局からの報告として、618日に開催した総会を経て協会の前会長、大野和男氏が名誉会長に、前副会長の櫛橋弘喜氏が会長に、そして前理事の野崎藤子氏が副会長に就任し、法務局登記が完了したことなどが報告されました。

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また117日(土)に宮崎観光ホテルで開催予定の「第12回公社)宮崎県老人保健施設協会研究大会」について、今月下旬に受付を開始し、9月頃演題採択決定、さらに大会テーマおよびサブテーマを公募することなど、今後の方針を確認し、委員が中心となって準備にあたっていくこととなりました。

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なお、同研究大会に関しては、今後文書や協会ホームページ、フェイスブック等でお知らせしていく予定ですので申し添えます。

受講者追加募集のお知らせ〔介護プロフェッショナルキャリア段位制度評価者(アセッサー)講習〕

2015年7月23日 | その他

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 「厚生労働省『介護職員資質向上促進事業』介護プロフェッショナルキャリア段位制度 平成27年度評価者(アセッサー)講習」(実施機関:一般社団法人シルバーサービス振興会)の申し込みは721日までとなっていましたが、84日(火)まで延長し、追加募集されることとなりました。詳しくはこちらをご参照下さい。

なお、この講習に関する問い合わせは、一般社団法人シルバーサービス振興会キャリア段位事業部(電話:03-5402-4882、ファックス:03-5402-4884Emailcareprofessional@espa.or.jp)までお願いします。また同段位制度の専用ホームページ(http://careprofessional.org)も併せてご覧下さい。

研修会開きました(ケアプラン部会:その8)

2015年7月22日 | 協会活動報告

 各グループとも参加者が真剣に意見を出し合い、サービス計画書が出来上がりました。研修会の最後にその発表会がありました。どの計画書も各グループのメンバーの利用者や家族の思いをくんだポジティブプランで、発表が終わると他のグループからは温かい拍手が贈られていました。

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 長丁場の研修会でしたが、包括的自立支援プログラムの仕組みやケアプラン策定のポイント、さらに実践的な知識や技術が学べただけでなく、受講者同士が交流も深まり、充実した一日となりました。

(終わり)

研修会開きました(ケアプラン部会:その7)

2015年7月21日 | 協会活動報告

【グループワークスナップ(3)

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022IMG_1544.JPG023IMG_1546.JPG024IMG_1549.JPG025IMG_1553.JPG026IMG_1560.JPG027IMG_1564.JPG028IMG_1493.JPG029IMG_1551.JPG030IMG_1466.JPG031IMG_1423.JPG

(つづく)

研修会開きました(ケアプラン部会:その6)

2015年7月20日 | 協会活動報告

 【グループワークスナップ(2)

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(つづく)

研修会開きました(ケアプラン部会:その5)

2015年7月17日 | 協会活動報告

【グループワーク:スナップ(1)

 午前中の講義内容に従って、実際にケアプランの作成に取り組んだグループワーク。9つに分かれたグループワークではそれぞれに違う施設、職種の参加者が意見を出し合い、利用者や家族の意向を踏まえた”ポジティブプラン”を作り上げていきました。

 そのグループワークの様子(スナップ)を3回にわたってアップします。なお取材・撮影に当たっては、参加者の了解を得ておりますので申し添えます。

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(つづく)

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