老健みやざきブログ

研修会開きました(リハ部会:その2)

2015年1月30日 | 協会活動報告

 つづいて、黒木勝久さんの講演は、在宅強化型老健であるサンヒルきよたけの取り組み状況に移りました。以前は従来型老健だった同施設。「リスクを冒すよりは長く満床で入所してもらった方がベッドコントロールがしやすくセーフティー」と、在宅復帰に向けて積極的ではなかったとのこと。しかし24年度の改定で基本報酬が下がり、必要に駆られて平成241月から在宅復帰に取り組み始めたそうです。それから半年後の同年7月に在宅支援加算型老健、それからさらに1年かけて平成257月に強化型を算定できるようになりました。しかしベッド回転率が落ちたため同年8月、9月は一旦加算型となったものの、10月から現在に至るまで、ずっと強化型での算定を続けているとのことでした。

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 かつては10パーセント台だった同施設の在宅復帰率は、平成2612月時点で53.8パーセントにまで上昇。ベッドの回転率は10.8パーセントで、利用率も96パーセントを維持しているそうです。

 また入所の内訳としては自宅からの入所が増加。さらに相談指導員が営業に駆け回ったことにより、協力病院以外の医療機関からの入所も増えてきました。一方、かつては病院への入院が多かった退所先内訳ですが、現在は半数以上が自宅。入院が減った理由として関し黒木さんは「在宅復帰率を高めるため、看護・介護が中心となって利用者の異常の早期発見に努めているから」と胸を張りました。

 そして入所後、早期かつ集中的にリハビリを行うことにより利用者の在宅復帰を目指す短期集中リハビリテーション。平成22年度までは400件台だったのが、同24年度以降は2000件以上と、5倍以上に増加している事がスライドに示されると、参加したセラピスト達は、リハビリテーションを通じて利用者の在宅復帰を目指す老健施設の使命の重要性を再確認していました。

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(つづく)

研修会開きました(リハ部会:その1)

2015年1月29日 | 協会活動報告

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 (公社)宮崎県老人保健施設協会リハビリテーション研究部会は127日、宮崎市の宮日会館で研修会を開き、在宅復帰・在宅療養支援、そして生活期リハビリテーションの拠点として、老健施設は今後いかにあるべきかについて研鑽を深めました。

 この日は会員施設などからリハビリスタッフや支援相談員、介護職員など60人の参加がありました。開会にあたり同部会の中村豪志委員長が「来年度は介護保険報酬が改定される中、今日の研修が皆さんの明日からの仕事に役立てばいいと思います」と挨拶しました。

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(↑中村委員長)

 はじめに「在宅復帰の取り組み」と題し、サンヒルきよたけの支援相談員で、協会在宅支援研究部会の委員長も務める黒木勝久さんが講演を行いました。サンヒルきよたけで管理部部長および支援相談室室長を務める黒木さんは、社会福祉士、介護支援専門員、そして全国老人保健施設協会(全老健)リスクマネジャーなど様々な資格の所有者です。

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(↑行使の黒木勝久さん)

 黒木さんは施設の概要(平成75月開設した単独型の老健施設で、入所80床、通所定員40名。居宅介護支援事業所、訪問リハビリテーション、グループホーム3ユニット併設)を紹介した上で、全老健のケアマネジメント方式「R4システム」を同施設が平成2210月から2年間かけて導入した経緯を話しました。

 同施設では専任の施設ケアマネージャーを配置しないかわり、利用者に担当職員を位置づけ、看護・介護職と兼任施設ケアマネージャーが合同でプランを作成する方法を採用。そしてR4システムを活用するために、館内Wi-Fiおよびターミナルサービス(TS)を導入。さらにタブレット端末11台とR4システム編集端末20台も導入するとともに、複数の端末から同時に書き込みができるようにし、多職種がケアプランに触れることができるようにしたそうです(それ以前は誰かがプランを開いていると、他の職員は書き込みができないなど、効率が悪かったとのこと)。

 このように述べた上で、「R4システムは私達の施設が在宅復帰に取り組むに当たって必要不可欠なツールです。ただし、『R4システムを導入すれば在宅復帰率が上がるか?』という質問をよく受けますが、かならずしもそうとは限りません。情報を入力すると自然に在宅復帰のプランができるというような『魔法のプラン』ではありません。自分たち合ったものを作ることが大事で、何でもソフトに付けて万能を求めると使い勝手が悪くなります」と注意を促しました。

(つづく)

宮尾登美子さん逝去

2015年1月28日 | 雑談

 「天璋院篤姫」や「鬼龍院花子の生涯」などの小説で知られる作家の宮尾登美子(みやおとみこ)さんの訃報が18日の新聞各紙で伝えられました。亡くなられたのは昨年の1230日、老衰のためとのこと。

 同日付け日本経済新聞に「苦難を乗り越えて強く生きる女性たちを描いた」と紹介されている宮尾さんの作品の中に、「蔵」という長編小説があります。19923月から19934月まで毎日新聞に連載されていた当時から大きな反響を呼び、その後同年9月に毎日新聞社から出版され、テレビドラマや映画、そして舞台でも演じられました。

 「蔵」は大正から昭和にかけての新潟県の酒蔵を舞台に、全盲となった女性、田乃内烈が、ハンディを負いながらも前向きに生きて、父意造の酒蔵を継いでいく長編小説です。実母賀穂が若くして世を去り、後妻に治まったせき、賀穂の妹で病弱な姉に代わり意造へ密かな思いを寄せながら烈を育ててきた佐穂などが登場し、女同士の愛憎が入り混じる複雑な関係の中、烈は美しく、たくましく、「四感」を働かせて生きていきます。脳卒中で半身不随となった意造が、酒蔵「冬麗」を手放そうと考える中、烈は断固たる意思を持って田乃内家と「冬麗」を継いでいきます。また後に杜氏の涼太に初恋、周囲の反対を押し切り、成就させます。

この作品は、(財)日本障害者リハビリテーション協会発行の「『ノーマライゼーション 障害者の福祉』199512月号(第15巻 通巻173号) 21頁から23頁」の中で「文学にみる障害者像」として筑波大学附属盲学校の大内進教諭により「障害を乗り越えて、一女性として、男性中心の社会に切り込み、家業の酒蔵を継いでいく烈の自立した生き方に感動を呼ぶものがあったのであろう」と取り上げられています(http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prdl/jsrd/norma/n173/n173_021.html)。

 上下2巻からなるこの作品は、必ずしもハッピーエンドというわけではありませんが、当時の世の中の習慣や偏見を打ち破り、障害を乗り越えて生きて行く烈のひたむきさに深い感銘を覚えました。作品の内容はもちろんのこと、土佐出身の宮尾さんが、新潟弁による難解な言い回しを駆使して(ご自身が新聞連載中に「毎回のように誤りを指摘された」と述べてはいますが)書き上げた力作だと思います。

「障害を持つ人がほかの人びとと同様に生活の糧を得て、住んでいる家庭や地域を動きまわり、特別の集団でなく、障害をもつ普通の市民として生活する」というノーマライゼーションの精神を、作品を通じて教えていただいたことは、老健施設に働く者の一人として感謝の念に絶えません。宮尾登美子さん、本当にありがとうございます。ご冥福をお祈りします。

冬の星空

2015年1月27日 | 雑談

 寒い日が相変わらず続いています。しかし四季折々の美しさがあるのが日本、そして宮崎の良さでもあります。特に宮崎の冬の星空は美しく、寒い中にも心が癒やされるものの一つです。

 カメラを三脚に固定し、シャッターを開けっ放しにして撮影してみると、星の動きがわかります。そしてその多さと美しさに驚かされます。

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↑西の空。山の端に向けて星がどんどん沈んでいっているのがわかります。

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↑北の空。北斗七星を中心に、たくさんの星がぐるぐる回っていてすごいです。

 環境省水・大気環境局大気生活環境室が平成253月に発表した「スターウォッチングネットワーク
平成24年度冬期 全国星空継続観察実施結果報告書
」によると、「同一観察地点での『夜空の明るさ』の推移(冬期)」において、都城市高崎町のたちばな天文台で観測された夜空の明るさは20.6mag/mag/□”」は星空の明るさを示す単位で、値が大きいほど夜空が暗く、星がみえやすい)。これは全国6地点で観測した中で、愛知県東栄町に次いで2番目に明るい値となっています。また調査が始まった昭和63年度から平成24年度までずっと20mag/□以上の明るさを記録しているのは、同じく東栄町と都城市高崎町だけであり、いかに宮崎の星空が綺麗かということが伺えます。

上出の都城市高崎町にある「燈台 たちばな天文台」では冬の星空を楽しみたい方を対象に、さまざまなイベントが行われています。もちろん天文台まで行かなくても、満天の星を見上げれば心が癒やされます。防寒対策を施した上で、「観月会」ならぬ「観星会」をされてみるのも良いのではないでしょうか。

アンケート調査にご協力下さい(在宅支援部会)

2015年1月26日 | 協会活動報告

(公社)宮崎県老人保健施設協会在宅支援研究部会は前年度に引き続き、「『入退所の状況』に関するアンケート」を実施します。

 このアンケートは同部会が県内44の会員施設を対象に、入退所の動向について調査、分析をするために実施するものです。得られた結果は研修会等を通じて情報提供していく予定ですが、施設名や各施設の状況について公表することはありません。

 既に各会員施設には依頼文書をお送りしておりますが、詳しくはこちらをご覧いただき、ご協力下さいますようお願い申し上げます。

 また、入力用データ(エクセルファイル)に入力してご回答いただける方は、協会ホームページの「書式ダウンロード」から「在宅支援研究部会アンケート用紙(平成26年度)」をクリックしてダウンロードした上でご活用下さい。

 なお、このアンケート調査に関するお問い合わせはサンヒルきよたけ(担当:黒木、TEL0985-84-0333)までお願いいたします。

盛り上がった市町村対抗駅伝!!

2015年1月23日 | 雑談

112日、「第5回宮崎県市町村対抗駅伝競走大会」が宮崎県庁前を発着点とする12区間、39.2キロの宮崎市内コースで開催されました。市郡、町村の2部門に県内26市町村全てから過去最多の40チームが出場し、新春の宮崎路を激走しました。

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11日には開会式が宮崎市民文化ホールで開かれ、各チームが健闘を誓い合いました。

 

脚に自慢の小学生男女から中高生、一般、40代、そして50代という幅広いランナー達が各市町村の人々の思いが託されたタスキをつないだ大会。沿道には途切れること無く続く応援の人たちで溢れ、熱い声援を送っていました。

 市郡の部は延岡市A、町村の部は高原町がそれぞれ初優勝に輝き、大会の歴史に新たな1ページが刻まれました。

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大歓声の中、市郡の部初優勝のテープを切った延岡Aチーム

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同じく町村の部で初優勝を果たした高原町チーム

 

 2026年の国体を宮崎県で開催しようという動きも本格化してきました。県民を対象にしたこのように大きなスポーツイベントが開かれることで、県全体がもっともっと健康で、元気になるといいと思います。

研修会開きます(栄養・給食部会)

2015年1月22日 | 協会活動報告

 (公社)宮崎県老人保健施設協会栄養・給食研究部会は218日(水)10時から、宮崎市のニューウェルシティ宮崎で研修会を開きます(15時まで)。

 この研修会では午前中、平成27年度の事業計画検討会や情報交換を行った後、午後からは「食事と医療」と題し、宮崎江南病院副院長の松尾剛志先生に講演をしていただきます。

 この研修会はどなたでも受講可能です。参加費として会員老健施設の方は1500円が必要ですが、それ以外の方は無料です。

 詳しくはこちらをご覧の上、介護老人保健施設ひむか苑(担当:松浦、TEL0985-48-1360)までお申し込み下さい。多数の参加をお待ちしております。

高齢者支える権利擁護シンポのご案内

2015年1月21日 | その他

 既に「お知らせ」でもご案内していますが、九州弁護士会連合会(高齢者・障害者支援に関する連絡協議会)は27日(土)13時から、宮崎市の宮日ホールで「『高齢者を支える権利擁護の仕組みを考える』-日常生活自立支援事業から見える課題と展望-」と題したシンポジウムを開きます(1630分まで)。

 判断能力が衰えても、地域で自立して、自分らしく生きる人を支える「日常生活自立支援事業」が、制度の岐路に立たされている中、このシンポジウムでは同事業が置かれている状況や問題点に切り込み、今後の展望とそれを踏まえた高齢者の権利擁護について考えていきます。

 また、弁護士で明治大学法科大学院の平田 厚専任教授を講師に招いての基調講演もあります。

 この研修会はどなたでも無料で参加することができます。詳しくはこちらをご覧いただき、「参加申込書」に必要事項をご記入の上、宮崎県弁護士会(FAX0985-22-2449)までお申し込み下さい(申込締切:123日)。

 なお、この研修会に関するお問い合わせも宮崎県弁護士会(TEL0985-22-2466)までお願いいたします。

大寒

2015年1月20日 | 雑談

 120日は二十四節気の一つ、大寒(だいかん)です。広辞苑には「(1)非常に寒いこと。また、その時。(2)二十四節気の一。太陽の黄経が三○○度の時。陰暦一二月の中8(チユウ)で、陽暦一月二○日頃に当る」とありますが、その通り寒い日が続いています。そして空気も乾燥しています。県内でインフルエンザが急増し、全国各地で集団発生も起こるなど、予断を許さない状況です。各老健施設でも日々感染対策に取り組まれているかと思いますが、宮崎県福祉保健部健康増進課感染症対策室が発表している「インフルエンザの発生状況」なども参考にしながら、対策の徹底に努めましょう。IMG_6079.jpg

超高齢社会の選挙

2015年1月19日 | 雑談

 17日の朝刊を読んで考えさせられることがありました。まず日本経済新聞。「ネット選挙 浸透せず」という見だしの記事には、昨年12月の衆院選で発信内容をネットで見た有権者は16.1パーセントにとどまったことが、東京大学教授の調査でわかったと報じられていました。若年層の政治への関心を高めることなどを目的に、2013年の公職選挙法改正で解禁されたネット選挙ですが、選挙自体の関心が低かったこともあり、候補者陣営からも「注目を集められなかった」、「票に結びつくか分かりにくい」と、手応えはいまひとつだったとのことでした。

 一方、同日付けの朝日新聞の「声」欄。「投票へ往復2時間歩きました」という投書の主は宮崎県の80歳代後半の女性。いつもは息子の運転する車で10分ほどの投票所、しかし息子が用事で送れないため、意を決して歩いて行った模様が寄せられていました。激しい車の往来の中、路肩に寄って木の枝につかまったり、「自分の足ではないような気がした」ほど足がこわばったりしながら「やっとの思いで投票」。その後帰り道の上り坂では「気が遠くなりそうだった」そうです。それでも帰宅したら「心は晴れ晴れ」とくくっていました。

 総務省が発表した「平成261214日執行 衆議院議員総選挙・最高裁判所裁判官国民審査 速報結果」によると、小選挙区選の当日(平成261214日)の有権者数は13962784人、投票者数は54743097人で、棄権者数は49219687だったそうです。

同じく総務省が昨年の敬老の日を迎えるに当たって発表した「統計トピックス No.84 統計からみた我が国の高齢者(65
歳以上)平成
26 9 14
」をみると、平成26915日現在の65歳以上の高齢者は推計で3296万人とありました。これらの中には「投票に行った人」、「投票に『やっとの思い』で行った人」、「投票に行かなかった人」、そして「投票に『行きたかったけど行けなかった』人」、さらに「選挙権の行使が不可能だった人」などがおられたことと思います。

 日本が超高齢社会を迎えたのは2007年。それから現在までの間にネット環境は格段に向上してきました。一方今年2015年は団塊の世代が高齢者の仲間入りをします。このような情勢の中、これからの選挙制度はどうなるのだろう?上記2つの新聞記事を読みながら、そのように考えた次第です。

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