「外から見た老健」学びました(リハ部会研修:その16)
「ケース分類と課題分類」に関して「今日、相談員の方も来られていたら参考になるかと思って準備して来ました」と言いながら「ケースのカテゴリー化」というスライドを示しました。これは縦軸に実態について「やっている」と「やっていない」を、そして横軸に能力の「ある」と「なし」に設けたマトリクス図を描いたもの。「新規の利用者の場合はこのマトリクス図を使います。これから入る利用者はどのカテゴリーに入るか?という大雑把な状態を示します。たとえば脳梗塞後遺症が重度で寝たきりの方で能力としてやっていない、実態としてもやっていない、という場合、目標とプログラムは悪化防止と介助方法になります。次に能力がなくてやっている、という場合、目標がリスク管理になります。認知症の方が大腿骨頸部骨折で入院、本当はまだ歩けないけれど歩こうとする場合がこれに該当し、リスク管理重視となります。能力があるけれどやっていない、これは不活発由来の方、フレイルの方がそうですが、目標とプログラムは『引き出して活用する』ということ。残る『能力があって実態としてもやっている』という方の目標とプログラムは『維持・向上に努めること』になります。このように、どこにカテゴライズされるかを最初に打ち出して、具体的な情報を伝えた方が、聞く側としてはわかりやすいです。能力がない方のカテゴリーは重厚なマネジメントが必要です。支援者が手厚く関わることが大事です。これに対して能力がある方のカテゴリーでは、支援者は黒子です。後方的または側方的な立ち位置で、本人は前に立つわけです。このように最初にどのカテゴリーになるかを伝えた方がわかりやすいです」と図解。参加者は納得しながら聞いていました。
次に「課題の優先性」では、縦軸に緊急度、横軸に必要度を取った図を示し、「緊急度も必要度も共に高いところにある課題こそ、先に取り扱うべきで、そこをアピールするはケアマネージャーの役目だと思います。そうすると目標の順番付けも変わってきます」と具体例も交えながら、新規の利用者へのアプローチがわかりやすく説かれました。
(つづく)