キャリアアップ中堅者研修開きました(その2)

2019年3月13日|

 続いて実践報告が3題ありました。まず宮崎江南病院附属介護老人保健施設の支援相談員、別府和男さんが「在宅復帰・在宅支援 ~支援相談員の立場から~」と題して報告。「老健施設の在宅復帰・在宅療養線機能に対する評価」について、具体的な算定要件、評価項目を示しながら「超強化型」、「在宅強化型」、「加算型」、「基本型」、「その他型」の5つがあることを、それぞれの収益の比較も加えながら説明。その上で、施設における取り組みとして職員の意識向上のために毎朝、朝礼で報告し施設内に掲示したり、「見える化をはかり、意識向上につなげたりしていることを説明。また訪問指導の際介護職員も同行し、在宅における利用者の普段の様子を把握することが在宅支援に対する介護職員の意欲向上に役立つだけでなく、リハスタッフにとっても連携のさらなる強化につながることなどを解説しました。
そしてより上の施設区分を目指すことのメリットとして(1)老健の役割である在宅復帰支援を実践することでスキルアップにつながる、(2)利用者・家族、近隣住民や関係機関から信頼される、選ばれる施設になる、(3)収益が上がることで、自分に返ってくる(介護職員処遇改善加算)・・・の3点を掲示。「どの施設区分であっても老健の役割は変わりません。日々のケアで常に在宅復帰を念頭にケアをして下さい」と呼びかけました。
2題目は宮崎市介護老人保健施設さざんか苑から、「自らの意志を他者に伝える事が困難なケース」として、認知症のため言葉による自らの思いを伝えることが困難で、食欲低下、不穏な行動、日常生活において全介助を要していた入所者に対し、本人と家族の希望である在宅復帰に向けて関わり、目標を達成できた事例について支援を行った経過が報告されました。
 3題目は介護老人保健施設慶穣塾の介護福祉士、椎葉 梓さんが「介護職の地位の向上 ~地域包括ケア・生活リハ・段位制度~」と題し報告。地域包括ケアの主役は介護福祉士であり、「介護職の地位の向上なくして老健に未来はない」と考える同施設において、介護職が他職種連携をはかりながら積極的に生活リハに取り組んでいる様子を説明。また同施設が新しく取り組む「介護体験学習」を紹介。「在宅介護の一環として家族やボランティア、介護に興味がある人を対象に食事・排泄・移乗・生活リハ・コミュニケーションの体験・習得をしてもらう」という解説に、参加者は高い興味を示しながら聞き入っていました。

(つづく)

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