「非常時の食事」学びました(栄養・給食部会:その3)
次に熊本地震の際の「避難者数と食料供給量」についてグラフを用いて説明がありました。これによると2016年4月14日の地震が発生し、3日後の4月17日に避難者数がピークに達したとのこと。これに対し、政府によるプッシュ型の食料供給は3日遅れの4月17日に始まり、供給がピークになったのが4月20日だったことから、「避難者数のピークと食料供給量のピークが異なったわけです。つまり、『必要なときに食料が不足していた』ということです」と、清武シニアアドバイザー言葉に力を込めました。その上で「災害発生から家庭で最低3日間の食料備蓄が必要です。最初の3日間は普段の食事でもたせて、それなくなってから防災用の食事を、ということです」と言い添えました。その上で家庭や行政における非常食の備蓄状況に関する調査結果を示しながら、「災害時に備えて非常食を用意している世帯は47.4パーセント、うち3日以上備蓄している割合は17.4パーセントにとどまります。また自治体でも『食料3日分を確保する』と目標を定めているのは約3分の1にとどまります。熊本地震では発生から2日間で、各自治体の備蓄が底をつきました。『私の施設、私の家は、道路の反対側にスーパーやコンビニがあるから、そこから買えばいい』と言う人がいますが、災害が起こるとそこまでたどり着けなくなりますし、商品が1階にあると水害でだめになります雨が降る量が尋常じゃなく、『こんなことは初めて』ということが近年出てきています」と警鐘を鳴らし、2階や3階で備蓄したり、各病棟の中で非常食を備蓄したりしているところがあることが紹介されました。
(つづく)
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