問題を正しくつかもう

2011年11月22日|

  「問題を正しくつかめば、半ば解決したも同然である」とはC.ケタリングの言葉です(『リーダーシップ名言集』鎌田 勝、三笠書房)。

 なかなか的を射た名言です。しかし、これが難しいのです。老健に勤める者として、利用者様の日常生活活動(ADL)の能力を評価する中で、「なぜこれができないのか?」と考えたり、転倒や転落が生じた際、「なぜこうなったのか?」と首をかしげる事は多いのではないでしょうか。「それーがわかれば苦労はなーい!」という歌の文句じゃありませんが(『もしも月給が上がったら』という曲です。作詞:山野三郎((サトウハチロー))作曲:北村 輝、昭和12年)、この「なぜ?」を正しく解き明かすことの重要性を、ケタリングは説いているのだと思います。

 「物事の実質や状態、要点があいまいで、何が何だかわけがわからないこと。肝心なことがわからず、要領を得ないこと」を「不得要領(ふとくようりょう)」と言います(『意味から引く四字熟語』、池田書店)。そもそもは『史記』に記された言葉。紀元前より問題を正しくつかむことの重要性は万人の課題だったと言えます。

 英語の長文問題を解くにあたり、「長文を読まなくても、問題を見れば、答はわかるんです」と東大出身の某タレントが言っていたのを思い出しました。これは極端な例かもしれませんが、問題の本質を捉えることが、その根本的な解決に不可欠だという点では同じかもしれません。不得要領で右往左往することのないよう、問題の把握と理解に努めようとと思います。

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