研修会を開きました(支援相談研究部会)

2012年2月28日|

  (社)宮崎県老人保健施設協会支援相談研究部会は224日、宮崎市民プラザで研修会を開きました。会員施設の職員等50人が受講しました。

 

 

IMG_1664.JPG この日の研修会のテーマは『高齢者・障がい者の法律相談』。講師に新井法律事務所所長の新井貴博弁護士を招き、お話を伺いました。新井弁護士は宮崎県弁護士会高齢者障がい者等部会部会長のほか、宮崎市高齢者虐待防止ネットワーク運営委員会会長などを兼務されるなど活躍中です。

 「『弁護士に相談』 というと、『気が重い』とか、『敷居が高い』という印象があると思いますが、気軽に相談してほしい。私は弁護士の敷居を下げたいと思う。様々な制度を知って、有効に使って欲しい」・・・。そう切り出した新井弁護士(東京大学法学部のご出身です!)。「『高給取りで外車を乗り回している』というイメージもあるようだが、現実はそんなことはない。特に若い弁護士はあくせく働いている。夜の12時ぐらいまで事務所にいるのは当たり前だし、2時ごろにメールが来ることもある」と激務ぶりを紹介されました。ボランティア活動も結構多いのだそうです。

 さらに、「『弁護士は弁が立ち、理屈好きでとっつきにくい』とも思われがちだが、そんなことはない。ドラマなどで見るように、口頭だけでバンバンやり合うわけではない。基本は書面。理屈で相手を言いくるめることはしない。私は司法試験に6回目で合格した。苦労を重ねてきた人が多いので、弁護士は気のいい人が多い」などの説明に、多少緊張気味だった会場の雰囲気が和らぎました。

 宮崎県弁護士会に登録しているのは現在111名。そのうち37人が高齢者障がい者等部会のメンバーとのこと。この37人の”高齢者・障がい者のスペシャリスト”により実施されている高齢者・障がい者無料相談の話に及ぶと、参加者は身を乗り出して聞き入っていました。このうち、無料面談相談は、高齢化がますます進む中、日弁連高齢社会対策本部が各弁護士会にその対処・支援をするよう通達があったことを受け、新井弁護士が中心となって立ち上げたもの。高齢者や障がい者が相談しやすいように、毎週金曜日の午前10時から12時に設定し、通常130分の相談時間も、1時間に拡大するなどの配慮がなされています。成年後見制度や虐待など、高齢者や障がい者が抱える特有の問題に、専門知識を持った弁護士が対応しているそうです。

 また、宮崎県弁護士会では、全国に先駆けて夜間電話相談を行っていましたが、高齢者や障がい者に特化した無料電話相談も、無料面談相談と当時に、今年の1月から始めたそうです(無料面談相談と同じく、毎週金曜日の午前10時から12時まで)。それから210日までの間に、50件もの相談が寄せられたとのことで、潜在する高齢者や障がい者に関する問題の多さがうかがえました。

 そのほか、4月からは地域包括支援センターでの相談会も、社会福祉会と連携を取り合って立ち上げる予定だそうです。さらに、福祉の当番弁護士制度も設ける方針とのことで、高齢者・障がい者が抱える様々な問題を、弁護士の立場から救おうとする新井弁護士の熱い思いに頭が下がる思いでした。

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参加者からも、現場で抱える利用者に関する切実な質問が相次ぎました。新井弁護士からは、ていねいに回答していただき、大変有意義な研修会となりました。

 

【弁護士による高齢者・障がい者無料相談について】

新井弁護士をはじめ、宮崎県弁護士会の高齢者、障がい者の法律に関するスペシャリストによる無料相談について、以下の通りご紹介いたします。ご本人に限らず、ご家族や施設職員などでもOK。相談内容も問わないそうです。

《無料法律相談(面談)》

〇毎週金曜日、午前10時から12時まで

 ※金曜日が祝日の場合は休み。

 ※11時間の予約制です。

〇予約電話:0985-22-2466

〇場所:宮崎県弁護士会館(宮崎市旭1丁目828号)

 

《無料電話相談》

〇毎週金曜日、午前10時から12時まで

 ※金曜日が祝日の場合は休み。

〇専用電話番号:0985-23-6112

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