いきなりトップギア?

2012年4月2日|

 いよいよ新年度スタートです。老健職員に限らず、社会人、学生など様々な人達が気持ちをあらたにして平成24年度の幕開けを迎えられているのではないでしょうか。

 そんなフレッシュな気分に水をさすようではありますが、どうにも気になる言い回しがありますゆえ、一筆したためんといたす次第でございます。

 「・・・この重責を全うするため、わたくしは最初からギアをトップに入れて、全力で取り組んで参りたいと思う所存です」・・・などという挨拶をテレビなどで耳にすることがあるのです。果たしてこの表現は正しいのでありましょうか?私は違う!と思うのです。

 マニュアルミッションの車(MT車)、つまり4速や5速で、はたまた6速などのシフトレバーと、クラッチペダルがあるやつで、そのクラッチペダルを踏んだまま、おもむろにギアをトップに入れて(4速なら4速、5速なら5速、そして6速なら6速)、つまり、「最初からギアをトップに入れて」スタートしてみると、一体どうなるか・・・。

 ガックン(>_<)!!・・・エンスト、つまりエンジンストップです、はい。当然車もストップです。まれにエンストせずに動き出したとしても、その加速の遅いことこの上なし。「ガタコン、ガタコン」と、いわゆるノッキング(異常爆発)を起こして、故障の原因にもなります。ドラマの名セリフよろしく、「なんじゃこりゃあ!」と叫ばなければなりません。 

つまり、「最初からギアをトップに入れたのでは、スタートすらできない」ということなのです。そうです。乗用車の場合、スタートはローギア、すなわち1速です。それから2速、3速、と入れていきながらスピードを上げ、最後にトップギアに入れる、これが正しい方法だと言えます。

 現在の乗用車は、ほとんどがオートマ車(AT車)となってしまいました。このような言い間違いをたまに耳にするのも、マニュアルミッション車をあまり見かけなくなったからでしょうか。運転免許も「オートマ限定」なるものが出て久しいですし(ちなみに、某有名作家も、自動車免許を持っていなかった頃に、この言い誤りをしていたとカミングアウトしていました)。

 ともかく、平成24年度は始動しました。まずはローギアからのスタートを心掛けましょう。いきなりトップギアに入れたのでは走り出せません。エンストしないよう、ローギアから徐々にシフトアップしていこうではありませんか。

(※)上記の「トップギアに入れて発進する」行為は、車の故障につながるばかりでなく、重大な交通事故を引き起こす恐れもあり、大変危険です。決して行わないで下さい。また、仮にこれを行った結果、事故等を引き起こしたとしても、当方では一切の責任を負いませんので申し添えます。

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