け、けくりかえしはえるとけ?

2012年4月27日|

 宮崎県において「け」は言葉の前にも後ろにもつけて用いられます。「新宮崎市方言辞典」(江南書房)をひもといてみましょう。

(1)「け」(=けぇ):動詞に冠し語勢を強め、感情を強く表現する。例「ケ忘れた、ケ捨てた」。

(2)「け」:終助詞「か、かい」に相当。例「どんげなるちゃろケ(どうなるだろうか)」。

 

 これを踏まえて、418日付日本経済新聞の目を疑うような記事の話です。「何度も生え替わる毛 再生」という見出しが飛び込んできました。東京理科大などが、マウスを使った実験で、毛包という組織を培養し、自然に生え替わる毛を再生することに成功したというのです。人工植毛でもカツラでもありません。自然の毛です。しかも、周期的に何度も繰り返し生え替わるばかりか、どんどん増やせるそうです。とどめとばかりに「人間の大人でも毛髪を増やすことは可能」との研究チームのコメント。こりゃあすごい(≧◇≦)!この記事を読んで飛び上がった人も少なからずいたのではないでしょうか。10年後には再生医療として実用化したいとのことで、これは何だか世界を一変してしまうような予感がするニュース。「髪の毛が、そんなに何度も何度も繰り返し生えるとは本当だろうか?」と叫んでしまいました。ん?ちょっと待って!プレイバック、プレイバック(゜◇゜)。

 ふと「『髪の毛が、そんなに何度も何度も繰り返し生えるとは本当だろうか?』ということを宮崎弁で語ればどうなるだろう?」という思いが頭をよぎりました。そこで、上記(1)および(2)を用いて作文してみました。それが本日のタイトルです。

 「け、けくりかえしはえるとけ?」。つまり「毛、け繰り返し生えるとケ?」。うーん、ちょっと辛いですね。「毛がいっぱい」という意味を込めて「け」を3回使ってみたのですが・・・。どこが辛いか?それは「け繰り返し」の部分です。「繰り返し」に「け」はつけないですね。それどころか、「けくりかえす」は「蹴くり返す」、すなわち「蹴る、蹴飛ばす」という意味の宮崎弁になってしまいます。というわけで「け、けくりかえしはえるとけ?」は却下。無念。

 それはともかく、特に男性にとって、毛髪との別れを喪失体験の一つととらえれば、そのショックは少なからぬものがあると言えます(個人差があるでしょうが)。それが今回の研究成果によって解決できるとすれば、高齢者のみならず、多くの年代層の薄毛に悩む人にとって、垂涎ものの朗報と言えるのではないでしょうか。

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