かみん

2012年8月8日|

 「かみん」をご存じでしょうか?”かわいい顔してあのこ わりとやるもんだね”と歌ったのは、・・・「あみん」です・・・じゃなくて「かみん」です。

夏眠」と書きます。広辞苑には「生物が乾燥高温の夏に休眠状態に入ること。主に熱帯地方で、一部の植物や哺乳類から陸生無脊椎動物にわたる広範囲の動物に見られる」とあります。つまり、「暑くてやってられんわい<`ヘ´>!」と眠りに入ることで、生命を維持しようというわけですね。熱帯で乾燥型の雨緑地帯、サバンナ、砂漠などでよくみられるそうです。具体的には熱帯産のカエルやカタツムリ、肺魚、ヒガンバナなどの動植物がこの「夏眠」をして暑い、というか、熱い夏を堪え忍ぶわけです。すごい(゜◇゜)。

 話変わって人間の眠りについて、78日の日経新聞の”今どき健康学”のコーナーに「睡眠時間足りない日本人」という記事が載っていました。書かれたのは江戸川大学の中村雅美特任教授です。それによると、平日の平均睡眠時間は米国人が7.01時間、フランス人が7.07時間だったのに対し、日本人は6.5時間と30分以上短かったそうです。さらに、睡眠時間が6時間未満の人の割合も、日本は19.8%と、米仏の2倍近くあったとのことです。たしかにこれは足りないかも。

 この調査を行ったのは東京にあるフランス系製薬会社だそうですが、睡眠の満足度についても調べていました。「満足(十分な睡眠がとれたと思う)」と答えた日本人は44.7%で、米国人(59.4%)、フランス人(61.1%)と比べてかなり低い結果が出たそうです。一方、「不満」と答えた日本人は36.0%で、米国人(34.1%)、フランス人(27.7%)を上回っていたとのこと。つまり、日本人は「慢性的に寝不足で、睡眠について不満をもっている」のだそうです。納得される方も多いのではないでしょうか。

 調査はそれだけではありません。「日中に眠気を感じる」と答えた日本人は70.9%もいて、米国(56.0%)、フランス(30.3%)と比べるとかなり多く、中村教授は「集中力や充実感、気力が減退する。仕事の効率が落ちるだけではなく、ときには重大事故を招くおそれがある」と指摘されていました。これは、早出、遅出、夜勤など、勤務時間が不規則な私たちにとって看過できないことです。しかも、介護が必要な高齢者のケアにあたるのが「介護老人保健施設」に勤める者の使命。寝不足で、眠気を感じながら仕事することは大変危険であると言わざるを得ません。それに加えてこの夏の暑さ!!いっそう集中力が低下しないだろうかと危惧するのは私だけではないはずです。

 肺魚などと違って、人間は「夏眠」をしてこの猛暑をしのぐことはできません。そこにきて浮き彫りとなった日本人の寝不足問題。せめて休憩時間に「仮眠」を有効にとることで、自らの健康管理と、事故防止の徹底に努めてみてはいかがでしょうか。

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