夏の魚、暑い魚

2012年8月14日|

 魚にまつわる「漢字」の話です。まず、『大修館新漢和辞典 携帯版(大修館書店)』を使って調べてみました。

 

○さかなへんに「春」と書くと、「鰆」。”さわら”と読みます。 

○さかなへんに「秋」と書くと、「鰍」。(1)“いなだ”。ぶりの小さいもの。(2)“かじか”。谷川に住む小魚。美味。(3)“うなぎ”。また、この字で”どじょう”とも読みます。

○さかなへんの「冬」と書くと、「鮗」。”このしろ”と読みます。形はあじに似て平たく、体長は30センチメートルぐらい。

 

 というわけで、さかなへんに「春」、「秋」、そして「冬」。それぞれの季節をつけた漢字はあったわけです。しかし、さかなへんに「夏」のついた漢字は、どうしても見つけることができませんでした。うーん、「”魚”に”夏”」だと、魚がすぐにいたんでしまうようなイメージがあるからでしょうかねぇ。

 そのかわり、と言ってはなんですが、さかなへんに「暑」という漢字を『広辞苑』で見つけました(ただしくは”暑”の”者”の中にテンがつきます)。「魚」と「暑」を組み合わせて、「魚暑」と一文字で表す漢字。それは”しいら”と読みます。環境依存文字なのでネット上では表示できないかもしれませんが、「鱪」です。

 広辞苑には「シイラ科の海産の硬骨魚。体は一メートル以上に達し、形はカジキに似て側扁する。背びれは頭頂部に起って尾部に達し、尾びれは深く分叉。美しい藍色で、鮮やかな斑点がある。世界の暖海に分布。流木などに集まる習性がある。勒魚。鬼頭魚。」とありますが、「鬼頭魚」という表現がピッタリくる外見のメジャーな魚です。これが「暑い魚」という漢字で表現されるのは、シイラだけに、「しいらなかった」です(^_^;)

 それにしても、漢字の世界って、奥が深いですねー。暑い日々が続いていますが、こんな夏の日のレクレーションのネタの一つとして、「さかなへんに”?”」クイズ、いかがでしょうか?もし、それでしらけてしまったら、シイラだけに、「シイラけどり、飛んでいく南の空へ、みじめ、みじめー」と歌ってごまかしましょう。えっ!?知らない(o)

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