げるのこ

2013年4月26日|

  「げるのこ」をご存知でしょうか?「げる」の「子」です・・・え?「げる」がわからない?じゃあヒントです。「ゲロゲロ」鳴きます。「ケロケロ」と鳴くのもいます。はい、もうおわかりでしょう。

 そうです。「げる」とは「カエル」のこと。その「げる」の「子」だから、「げるのこ」とはカエルの子、すなわち「オタマジャクシ」のことです。もちろんナマズの孫ではありません。宮崎弁です(『新宮崎市方言辞典』、玉木徹志、田代学、江南書房)。

 超早場米の産地、宮崎県では、田んぼの稲もすくすく育ち、この「げるのこ」もすいすいと泳いでいるのが観察されます。これから「げる」(”びきたん”、”びきたろ”とも言いますね)の大合唱が賑やかになってくることでしょう。

 それはそうとこの「げる」という言葉、気になります。広辞苑(第4版)で調べると、「ゲル」というのが2つ載っています。

 一つ目の「ゲル」は、「(学生語。ゲルトの略)かね。金銭」。そう言えば、お財布の事を「がま口」と言いますね。ということは宮崎弁で言うと「げる口」となるのかな?

 二つ目の「ゲル」は、「コロイド溶液が流動性を失い、多少の弾性と固さをもってゼリー状に固化したもの」。うわぁー、これってすごく両生類的イメージ。なんかカエルの食感・・・じゃなくて触感を連想してしまいそうです。カエルのタマゴはさらにゲル感たっぷりです。

 まさか宮崎の先人達がそこまで推考を重ねた上でカエルのことを「げる」と称するようになったわけではなく、おそらくは”かえる”→”けえる”→”げえる”→”げる”ってな具合になったのではないかと思うのですが、適当につじつまが合っていて興味深いです。

 お金つながりでこじつけると、世の中は27日から黄金週間。カエルの合唱が響き渡る中、多くの日本人がレジャーや観光などに大移動することが予想されます。

 私たち老健施設に勤める者にとっては、ゴールデンウィークとは関係無く日々の業務に携わるわけですが、気を緩めること無く利用者様のケアに努めましょう。

 なお、通勤や送迎の際には平時と車の流れが大きく異なることも予想されますので、十分注意するとともに、時間に余裕をもって運転しましょう。もちろん行く時だけではありません。カエル時も、ね。お後がよろしいようで、ゲロゲロ。

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