ひとりよりみんなで

2011年9月1日|

   アメリカの実業家、カーネギーは「人間はすぐれた仕事をするには、自分ひとりでやるよりも、他人のたすけをかりるほうがよいのだと悟ったとき、その人は偉大なる成長を遂げる」と言ったそうです。老健に勤める者にとっても、この考えは大事です。他職種によるチームプレイで、利用者様を多角的、総合的にケアしていかなくては老健の真の機能は発揮されませんし、ADL、そしてQOLの向上は望めません。

 他者の能力を認め、仲間を信じて仕事を任せる、という意味において、それを体現していた人物というと、アメリカの伝説的バスケットボール選手、マイケルジョーダンを思い浮かべます。空中を歩いているかと錯覚するような滞空時間の長いジャンプ力、それをいかしたフリースローラインからのダンクシュート、シュートを放った直後に試合終了のブザーが鳴るという絶体絶命の中での冷静かつ正確な逆転シュート(いわゆるブザービートですね)・・・。彼自身のすごさを語れば枚挙にいとまがありませんが、そんな中でも、とりわけすごいと思うのは”ノールックパス”。激しい動きの中で相手選手を引きつけるだけ引きつけておいて、あさっての方向を見ながらおとといの方向に矢のようなパス。あっけにとられる相手選手の間を抜けたパスは、待ち構えるフリーの味方選手(スコッティーピッペンとか)の手に渡り、楽々とシュート。「ジョーダン様よ、あなたの目は魚眼レンズですか?」と問いたくなります。しかし、彼は、仲間を信じ、仲間がそこにいることを心の目で見て、自分がおとりになりながら仲間にボールを渡し、シュートを託すのでしょう。自分ひとりでやるのではない。仲間のたすけを借りて、仲間と共に勝利し、仲間と喜びを分かち合う。すばらしい仕事ぶりです。

 マイケルジョーダンを見習いましょう!と言っても、相手の顔も見ない、言葉も交わさない、というのは真似するところじゃないですね。それができるのは、よほどの神業の持ち主か、はたまた職務怠慢かのどちらかでしょう。しっかり相手を見て、言葉のパスで情報を伝達しあって、「ほうれんそう」を徹底して、仲間を信頼し、チームプレイで仕事をしていきたいものですね。 

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