平均寿命過去最高
既にご存知の方も多いかと思いますが、日本人の2014年の平均寿命が過去最高となりました。これは厚生労働省の調査でわかったもの。
7月31日の日本経済新聞によると、女性は86.83歳で前年より0.22歳の延び。男性は80.50歳で同じく0.29歳の延び。そして女性は3年連続世界一、男性は前年の4位から3位になったそうです。
この原因として厚労省は「がんや心臓病、肺炎、脳卒中などによる死亡率が改善したこと」と分析しており、仮にこれらの病気で亡くなる人がいなくなれば平均寿命はさらに女性が6.02歳、男性が7.28延びるという推定値が示されていました。
このような内容が、横見出し(数値は白抜き文字)、6段記事で紹介されていました。このこと自体は大変喜ばしいことで、これまでの我が国における医療、保健、福祉の取り組みが、具体的な数値となって現れているのだと思いました。
そうは思いながらも、その最下段の最後7行に目がとまりました。そこには厚労省が算出した「健康上の問題で日常生活が制限されない期間を示す『健康寿命』」(2013年)について、「女性が74.21歳、男性が71.19歳」と載っていました。
2013年での値ですから、これを同年における平均寿命(女性86.61歳、男性80.21歳)と比較すると、女性で12.40歳、男性で9.02歳の差があり、それぞれその間、「健康上の問題で日常生活が制限される」ということになります。男女ともこれは決して短い期間とは言えないのではないでしょうか。
「平均寿命が延びても、例えば寝たきりの状態では本人もつらいし、家族など周囲の負担も大きい」として、「健康寿命」を延ばすことの重要性を指摘する専門家のコメントも紹介されていましたが、まさしくその通りだと思います。そして、健康寿命が平均寿命に近づくように延ばしていくとともに、「健康上の問題で日常生活が制限される」ようになった場合でも、個人の尊厳を失うことなく、住み慣れた地域社会でいきいきとした生活を送り続けられるように支援していくことも、これまで以上に大切になってくるものと思います。そしてそのために老健施設が果たすべき役割も重要になってくる・・・そのように考えさせられた記事でした。