富士山爆発!?

2012年5月25日|

 本日、525日は、あの富士山が噴火した日だそうです。864年ですから、今から1148年前のこと。たびたび噴火して、1707年に爆裂し、宝永山を南東中腹につくってから静止したそうです(広辞苑より)。

 そんな富士山が再噴火?とびっくりさせるような小説があります。その名も、「富士山の身代金」(新潮社)、聞いただけでもぞっとするタイトルです。

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太平洋戦争末期。いよいよ米軍と本土決戦か!?という時、成沢少佐が指揮を執り、極秘の内に進められた秘策、「富号作戦」。富士山地下に洞窟を掘り、大量の爆薬を仕掛ける。表向きには「噴火の危機が迫る富士山の溶岩を、爆破により事前に洞窟を通じて流し出す事によりこれを防ぐ」という説明。しかし実際は、「米軍が来襲した際、富士山の溶岩を本土に流出させ、敵と討ち死にする」という捨て身の戦法であった。

・・・時は流れて現代。どの一味にも属さないテロリスト片桐が、富士山測候所を占拠。その職員のみならず、「日本国民」を人質にとって多額の身代金を国に要求する。未遂に終わった「富号作戦」の爆薬を、盗んだ爆薬50トンによって大爆発させようというのだ。事態を打開しようと雪中を進む警察の特殊部隊は、赤外線スコープによりたやすく見つかり、人工雪崩の餌食に。残された道案内の巡査部長、富田が孤軍奮闘。測候所職員救出に乗り出す。一方、レインジャー部隊一尉だった頃、航空機墜落救出にかかる過失(と世論に攻められ)により左遷、陸上自衛隊を辞めた堂垣は、「なつめの飾り」を防衛庁(現防衛相)長官秘書森村から依頼され調べるうち、片桐の陰謀の核心に触れていく。果たして富士山は爆発するのか!?

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ハラハラドキドキの救出劇。急転直下の展開と、知能犯片桐の結末に絶句。手に汗握るすごい作品です。著者は藤山健二。えっ?「”ふじやま”だから富士山の話を書いたのか!?」って?とんでもない!シャレで書けるような作品ではありません。圧倒されることうけあいです。ご一読あれ。

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