転倒予防学びました(リハ部会:その1)

2015年7月28日|

718日(土)に宮崎リハビリテーション学院にて、リハビリテーション研究部会研修会が開催され55名の参加者がありました。

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(↑開会にあたり挨拶に立った同部会の中村豪志委員長)

今回のプログラムとして、講演1「施設での転倒原因と対策について」、鶴田病院の理学療法士、濱砂好治さんと、講演2「転倒・骨折に関して」、はまゆうの理学療法士、迫田勇一郎さんの講演がありました。その講演の概要を連載していきます。

 

【講演1.「施設での転倒原因と対策について」:鶴田病院理学療法士、濱砂好治さん】

まず転倒のリスク要因として、内的因子・外的因子・その他の因子の3つが挙げられます。内的因子については、加齢や使わないことによる移動能力とバランス能力の低下、特定の病気(脳卒中後遺症、パーキンソン病、認知症、視力障害など)、薬剤による薬理作用(睡眠薬、抗不安薬、多剤の服用など)らが考えられ、本人の身体の状況に合わせての因子。

外的因子は、段差、滑りやすい床、履物、つまずきやすい敷物、電気器具のコード類、照明(の不良)など、の因子。

今回は、その他の因子について講話をいただきました。

 

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その他の因子として・・・・・・(1)習慣が生み出す転倒リスクとは?事例(1)として、「日常生活の中で利用者様がブレーキやフットサポートの上げ下ろしを以前は自分で実施していました。」しかし、それが、「日常業務の中で時間がないためブレーキやフットサポートの上げ下ろしを介護職員が実施するようになりました。」

そういう状況の中で、ある日利用者は職員がいない状況で移乗しようとします・・・

さて、どうなるでしょうか?当然事故のリスクが高まり事故が起こりました。

事故報告書での事故内容をみると、ブレーキを本人が忘れていました。とか、フットサポートを本人が忘れていましたなど、事故報告書が書かれています。なぜ忘れていたのかでしょうか?というのが事故理由であり、そこを考える必要性があります。

 

では、なぜ忘れていたのでしょうか?

事故理由として考えてしまうと、うっかり忘れていたからとか、高齢であったから、認知症であったからなど、そういう理由があるのかもしれませんが、もっと深く掘り下げてみると、本人様自身のみの原因だけでしょうか?という事が考えられると思います。

 

つまり、日常習慣の中で利用者様がブレーキやフットサポートの上げ下ろしを以前は自分で行っていました。しかし、日常業務の中で時間がないためブレーキやフットサポートの上げ下ろしを介護職員自身が行うようになりました。 こうなると利用者様はどうなるか?というと利用者様は自分でしない習慣が徐々に身についてくるのではないか?身についていない状況で動作をするとどうなるか?ということになります。

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(つづく)

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