「外から見た老健」学びました(リハ部会研修:その12)

2024年11月12日|

認知症の方は看多機に馴染みやすいです。一般的な在宅のサービス形態に置き換えてみると、そのコーディネートは地域にあるバラ売りのサービスをケアマネジャーが一旦まとめ買いしてサービスを提供します。認知症の方がA事業所のデイサービスに行き、B事業所のヘルパーさんを受け、C事業所のショートステイに行く、これはリロケーションダメージ(住み慣れた環境から離れて新しい環境に移ることで、心身にさまざまな悪影響を及ぼす現象)になります。抵抗が生まれたり、混乱したりします。小多機、看多機の強みは同じ顔ぶれで多機能のサービスを提供できます。したがって認知症の人はとても安心できます。小多機、看多機ではデイサービスと言わず『通い』と言いますが、夜の7時にご飯付きで預かることもできます。自由度が高いです。私の会社はそれに住宅型有料老人ホームを併設しており、これは結構珍しいです。22室ありますが、これは上限ではありません。29名が国のルールで22名入居がいます。差し引き7名は在宅で過ごしています。ですから施設ケアもしながら在宅ケアもするという、いわば二刀流です。二方向やっています。とても忙しいです。ひとつ屋根の下に看多機と有料老人ホームがあるので、色々な方がおられます。ALSの方もいますし、筋ジストロフィーの方もいます。骨が見えるくらいの褥瘡の人もいます。他の施設ではNGを出されるような方が巡り巡ってたどり着くのがうちのような小さな事業所です。社会背景的に訳ありの方もいます。私はそんなところで管理者をしています」

そして老健との違いについてスライドを示しながら「老健は医師が常駐しています。これはとても強みです。強みですが、弱みもあります。私も老健にいましたが、常駐している医師の専門外の場合は受けないということもありました。老健ではじかれる疾患もうちの看多機は有料老人ホームもあるので色々な方に来てもらいます。そして、だいたいの有料・看多機は、色々なクリニックと提携していますが、十人十色の疾患、健康状態があるので、私達はケアマネジャーとして医師をコーディネートしています。パーキンソンであれば神経内科の訪問診療医をコーディネートしますし、末期がんであればターミナルの得意な先生、本人や家族が話を聞いて欲しいという志向があればちゃんとマッチングする医師をコーディネートします。自由度が高いというところが強みです。ひとつ屋根の下に医師はいないけれど、医師をコーディネートできるというのがとても大きな強みです」と胸を張りました。

(つづく)

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