キャリアアップ基礎研修開きました(県委託事業:その4)

2016年3月18日|

当協会が34日に開いた「平成27年度キャリアアップ研修(基礎研修)」、最後は介護老人保健施設おびの里の宮田啓吾さんによる「寄り添い方で見えてくる認知症の人」がありました。

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「認知症とは、脳の変化、脳の病気が原因で認知機能、生活機能に障害がでること」という認知症の定義をふまえ、認知機能障害(物忘れ、時間・場所・人物がわからない、物事がうまく行えない、言葉がわからない、など)、そして生活機能障害(日常生活動作や手段的日常生活動作ができない、電話の使用や買い物、食事のしたくや服薬・金銭管理などができない)などといった具体的内容について説明がありました。また、脳の変化・病気には(1)アルツハイマー型認知症、(2)脳血管性認知症、(3)レビー小体型認知症、(4)前頭側頭型認知症・・・などがあり、それぞれの特徴がスライドを用いて解説されました。

さらに認知症の行動心理症状(BPSDBehavioral and Psychological Symptoms of
Dementia
)には幻覚や妄想、抑鬱、不安、粗暴行為、徘徊などがあり、これらが記憶障害・見当識障害などの中核症状および本人が元来有する性格や身体的不調、環境要因などが絡み合って生じ、日常生活への適応を困難にしていることなどが詳しく説明されました。

 さらに認知症の人に関する寄り添い方を考え合うため、事例を用いたグループワークがありました。提示された事例に基づき、各グループの受講者はそれぞれの職場での経験を交えながら熱心に意見を出し合い、その本人にとって最も適切なケアのありかたを検討しました。

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 講義の最後に、宮田さんは「認知機能障害、生活機能障害は医学的に直せませんが、BPSDは私たちの関わり方ひとつで症状が悪化したり軽減したりします。『認知症』というひとくくりの考えではなく、一人一人の認知症とどう関わっていくか、その人の自分らしい生活をどう支援できるかが重要になってきます。皆さんの今の職業に誇りを持って頑張って欲しいと思います」と締めくくりました。

 今年度初めて開催した「キャリアアップ研修」は、地域医療介護総合確保基金にかかる人材確保推進事業として、当協会が宮崎県の委託を受け、28日の中堅者研修および管理者研修、そして今回の基礎研修で予定の講座全てを終了しました。各研修ともそれぞれ受講者の経験や知識、習熟度などを勘案し、これに応じた講師や内容で開催でき、いずれも有意義なものとなりました。このことは宮崎県をはじめ、関係諸機関、講師の皆様のご高配の賜と厚く御礼申し上げます。

来年度は会員施設等職員の資質の向上および広く県民の医療・福祉・保健の向上に資するため、他事業との連携も密にしながら、さらに内容を充実して開催したいと考えておりますので、引き続きご理解・ご協力方賜りますようお願い申し上げます。

(おわり)

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