漢字のふりがな
歌手の欧陽菲菲(オウヤンフイフイ)さんは、歌詞にふりがなをつけていたのだそうです。といっても、ひらがなではありません。漢字・平仮名・カタカナ・アルファベットなどが入り交じったいわゆる「日本語」の歌詞に漢字をふって、それを読んで歌っていたとか。「こーぬかー、あめふるー、みーどーおーすーじー」(雨の御堂筋)と迫力満点の歌声で聴く者のハートをしびれさせていましたが、その裏側ではこのような苦労もされていたと知ると、頭が下がる思いです。
広辞苑をひもとくと、「漢字の傍にその読み方を示すためにつける仮名。傍訓」とあるのがふりがな(振り仮名)です。そうです。ふり「仮名」ですから、ひらがな、もしくはカタカナでつけるのがふりがなであって、「漢字のふりがな」というと、その表現は正しくはありません。
それはそうとしても、最近思うのです。今の社会で用いられている言葉が、高齢者にとって理解し辛いのではないのか?と。特にIT化が進んだ現代、その関連用語は難解なのではないでしょうか。また、”TPP“などのようにアルファベット3文字前後で表す言葉もあまりにも多すぎると感じます。
実際、先日NHKラジオに耳を傾けていたところ、「現代の流行語の意味がわかるよう、漢字をふって欲しい」旨の高齢の方による投書が紹介されていました。ユニバーサルデザイン(この言葉自体も理解困難?)が提唱されて久しい今日この頃ですが、外来語を含めた現代の日本語にも、ふりがな・・・じゃなくて「ふり漢字」をつけて、みんなが使い勝手よく日本語を使えるようにすることも、考えるべき時に来ているのではないでしょうか。
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