研修会開きました(在宅支援部会:その2)

2012年10月26日|

【地域包括ケアの具体像】

(1)施設・住まいについて

※地域包括ケアは、既存の病院や特養などの介護保険施設を抑制した上で、サービス付き高齢者住宅を整備し、高齢者が居宅において外付きの訪問介護・看護で生活することを目指している。

○入院は抑制:介護療養病床は新規開設が否定され、報酬改定でも単価引き下げ。

○介護保険施設:整備進まずホテルコスト等の徴集を通じて利用者負担引き上げ→必要なサービス利用できない恐れ。

○一方、「サービス付き高齢者住宅」の積極的整備進められようとしている→厚生年金受給者がターゲット。低所得単身者を中心に「介護難民」化が進む恐れ。

※療養病床削減撤回、特養増設、補足給付の充実などによって、在宅のバックアップとして既存の病床・施設を拡充すべき。その上で居宅介護を充実図るとすれば、公的な高齢者住宅の整備等の推進を基本としつつ、施設と同等の質・量を提供できる居宅サービス体系を構築する必要がある。

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【資料を使ってわかりやすく話される鶴田禎人先生】

(2)地域包括ケアと老健

※「”第二特養化”しているような老健施設が非常に多い。まず老健施設というのは基本的にリハビリを一生懸命にやり、残存機能を高めるなりして、在宅で生活ができるようにして帰す。それをもっと徹底的に行っていただきたい」(厚生労働省幹部の指摘、『老健』20119月より)。

○今次の介護報酬改定で、基本報酬引き下げ&「ベッド回転率」、「在宅復帰率」の指標の導入と、条件を満たした施設を「在宅復帰強化型老健」として報酬増額。

○入所前後訪問指導加算も新設するなど、全体として早期退所を促す改定となった。

○今後:在宅復帰を第一義に掲げる施設と、そうでない施設にこれまで以上に分化されると考えられる。

※しかし、現状は在宅における受け皿不足→入所期間の短縮が拙速に起きてしまうことが懸念される。老健・入所者双方に負担をかける改定と言わざるを得ない。

※政府:老健など介護保険施設に対する明確なイメージを持っているとは言えない。施設側から地域包括ケア時代における自らのあるべき姿を積極的にアピールすべき!

※老健:地域の入所施設として高齢者・家族を支えている現状、医療、看護、リハビリ、認知症ケア、ターミナルなどに関する多様な地域支援機能を発揮できるという特徴・強みを活かせる制度設計・報酬改定を後押しする必要がある。(続く)

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