ゲゼルシャフトとゲマインシャフト

2012年12月19日|

 「ゲゼルシャフト」、そして「ゲマインシャフト」という言葉があります。ドイツの社会学者フェルディナント・テンニース(1855726-193649日)が提唱した言葉です。『広辞苑』には次のように載っています。

 

○ゲゼルシャフト【Gesellschaft
ドイツ】

「〔社〕テンニースが設定した、ゲマインシャフトと対をなす共同生活の類型。利益社会とも訳す。成員が各自の利益的関心に基づいてその人格の一部分をもって結合する社会。成員間の関係は表面的には親密に見えても、本質的には疎遠である。大都市・会社・国家など。」

 

○ゲマインシャフト【Gemeinschaft
ドイツ】

「〔社〕テンニースが設定した、ゲゼルシャフトと対をなす共同生活の類型。共同社会とも訳す。成員が互いに感情的に融合し、全人格をもって結合する社会。血縁に基づく家族、地域に基づく村落、友愛に基づく都市など。テンニースは、人類の歴史はゲマインシャフトからゲゼルシャフトへと進むと考えた。

 

 つまり、テンニースは「社会は”人々が互いに感情的に融合し、全人格をもって結合する社会”から、”人々は自分の利益が第一で、その関係は表面的には親密に見えても、本質的には疎遠な社会”への変わっていく」と考えていたわけです。

 そしてもし、現在の我が国の状況をテンニースが見てみたならば、それは「ゲゼルシャフト」、あるいは「ゲマインシャフト」・・・どのように映っているのだろうか?そんなふうに考えてみる今日この頃です。

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