食に関するリハ学びました(リハ部会:その1)

2014年9月29日|

 (公社)宮崎県老人保健施設協会リハビリテーション研究部会は920日、宮崎市の宮崎リハビリテーション学院で今年度第1回の研修会を開きました。会員施設等から様々な職種の65人が参加し、食事に関する様々なリハビリテーションの技術・知識について学びました。

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(開催に先立ち挨拶を行った、同部会の中村豪志委員長)

1部はサンヒルきよたけの作業療法士長友太志さんから「食事姿勢・食事ケアの注意点」と題し講義をいただきました。また、第2部では各施設での成功事例・取り組みとしてひむか苑の理学療法士菅原展寿さん、こんにちはセンターの理学療法士中村豪志さん、菜花園の理学療法士濱砂好治さん、グリーンケア学園木花の理学療法士前田明人さんから発表がありました。

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【第1 講義 「食事姿勢・食事ケアの注意点」】

〔講師:サンヒルきよたけ 作業療法士 長友太志さん:下の写真〕

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《講義の概要》

 

まず食事とは?というところで、目・匂い・味と五感をはたらかせるもの、栄養摂取、水分摂取、家族や友人や同じ時間をみんなで共有する場などではないかと思います。

では、食事は要介護者にとって大きな楽しみのはずですが、施設のなかではどうでしょう?みなさん食事を楽しんでいますでしょうか?介護者のペースになっていませんか?栄養や水分の確保という目的もありますが、やはり生活の場面で求められているのは、おいしく味わってしかも安全にということではないのでしょうか。では、どのように考えていけばよいのかという事になります。

老健施設では、生活行為の中での食事は、残存機能を生かした自立への介助方法を心がけていくことが大切です。その為、食事に関わる多職種の連携が重要になってきます。

 

食事姿勢や環境設定についてですが、まず知らないといけないのは摂食嚥下段階です。

(1)   先行期(認知期) 感覚機能を使って食べ物の情報(匂い、色、温度、形態等)を集め、食事体験に照らし合わせて、咀嚼嚥下器官をスタンバイする。唾液の分泌を促す。

(2)   準備期 食物を口腔内へ運び、食べ物を口腔に取り込み、前歯で噛み切り舌の前後上下左右運動により食物の状態に応じて噛み砕き、飲み込みやすい形状(食塊)にする。

(3)   口腔期 咀嚼されて嚥下可能になった食物(食塊)を咽頭に送り込む段階。口唇を閉じて、下と口蓋との間の圧迫圧で後方に送り込む。随意的な運動から不随意的な運動に切り替わる時期である。

(4)   咽頭期 咽頭に入った食塊を気道を保護しつつ食道まで送り込む段階。

喉頭蓋は喉頭の上方運動によって後下方へ転倒し、気管口を閉鎖して誤嚥を防止する。食道口は閉じているが、協調運動に支えられ、約0.5秒間というわずかな時間だけ開口する。

(5)   食道期 食塊が食道に入り、胃に送り込まれる時期で、液体では約3秒、固形食では8-20秒かかる。

 

この先行期(認知期)から食動期までをふまえ、食事姿勢について話します。

まず、座位について安定した姿勢と能動姿勢では、骨盤が前傾、上肢の動きがでてくるので能動姿勢が食事時には大事になってきます。

(つづく)

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