食に関するリハ学びました(リハ部会:その3)

2014年10月1日|

麻痺があり嚥下障害のある場合のポジショニングでは、頚部は軽度前屈位で麻痺側へ回旋する。(45度くらいでうなずく姿勢にします。健側の咽頭の通過をよくする広げる為に回旋します。つまり咽頭の部分がしっかり食道に通るようにする為です)。体幹を麻痺側が前方へ出るようにします(重力を使い健側側に食塊が落ちるようにします)。嚥下させた時など食塊が咽頭につまっていた場合など方法の一つとしても用いますので参考にして下さい。

 

食事の摂取・介助方法ですが、お膳の配置の工夫をします。片麻痺の利用者で自力摂取可能な方には、すべり止めシートや介助皿の活用を行い、手掴みで食べられる利用者には、おにぎりなどに変更する工夫も大切です。

食事の介助方法では、食事の準備期の段階でご飯を食べるということを認識していきましょう。匂いや料理をみてもらうことが大切です。また、ご飯がきましたよとなどの声掛けを行うことで、食事の情報が入り、食事に意欲がむきます。

 

同じ目線で介助します(目線が高いと誤嚥し易くなる)。顎を引く様に介助を行う。(誤嚥を防ぐ)。介助する側の手で介助を行う(右利きの人は右側からの介助できる環境に)。嚥下したことを確認して話しかける。(誤嚥を招くため、嚥下してから話しかけましょう)。

 

また、正面からスプーンを入れて斜め上方へゆっくり抜くこと。送り込みが困難な場合は奥舌に入れる。口腔内残留を確認して介助を行う。声を出してもらうことも一つの嚥下確認となります。

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食事終了後の姿勢として、食後の時間をベッド上で過ごす場合は、ベッド角度45-60度に調整し、疲労などで座位保持が困難な方でもできれば30分は臥床しないようにしましょう。

嚥下したものが食道に逆流して誤嚥性肺炎を起こす恐れがあるので、ご飯を食べた後の姿勢にも注意をしていただければと思います。

 

自助具の使用方法ですが、把持が難しい方には、太柄のスプーンの検討を行いますが、持ち方や食べ方、手首の調返しが難しくなる例もあるので、柄を曲げたり先割スプーンだったり、ユニバーサルスプーンだったりいろりろ選択して検討して下さい。お皿の工夫としても視空間認知障害がある方などが使用するのに便利なお皿(仕切りの工夫がある)選びも大切になります。

環境を整えることも大事で、半側視空間失認、や注意障害がある利用者に対しては刺激を少なくする環境を作り、テレビなどの音を消したり人の動きが多いところは避けたり食事に集中できる環境を作ってあげましょう。認知症のある利用者に対しては、食事の拒否が多く3回の食事ができないこともあります。高カロリーの食事に変更するなどの対策をとることも大事です。道具の使い方がわからない利用者で食事が入らない場合は食べ物をのせたスプーンを渡して自分で食べてもらうなどして道具の使い方を覚えてもらうなどして、利用者にあわせた食べ方を選択してみて下さい。

 

まとめとして、今回は姿勢について中心に話をしましたが食事ケアは姿勢以外にも嚥下・咀嚼・食形態や口腔ケアなど他にも多くの要素が関係していきます。多職種との協力のもとに施設での食事についてもう一度考えてみてもらうと良いと思います。また、環境に関しても施設でどう取り組んでいくのかの話も大事になってくるかと思います。

(つづく)

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