研修会開きました(看護・介護部会 その4)

2013年7月23日|

 研修会は褥瘡から皮膚全般に関する話題となり、緒方先生は「皮膚とはどんなものですか?」と問いかけました。そして「皮膚は『いのちを入れた袋』ではないかと思います」と続けました。これは医者になって40年近くの間、患者を診てこられた中で緒方先生がたどりついた結論とのこと。また「皮膚はだだの袋ではないということ、そして皮膚の事を知っていれば色々なことがわかり、色々な事に対応できます」と付け加えました。そして、「皮膚の表面がなくなると、ものすごい勢いで脱水を起こします。点滴しても今度は臓器がもたない。皮膚がないと私たちの命はあり得ないのです」との説明に、「なるほど、皮膚は『いのちを入れた袋』なんだ」と参加者一同は納得の表情。

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 その後も、皮膚の構造やそれぞれの役割、中でも角層(角質層)はラップの厚さ(0.02-0.03ミリメートル)しかないけど、それがないと体の水分を保てないことや、「いのち」を入れた袋である皮膚は、その中に私たちを入れて自己の確立と維持の役目を果たし、免疫反応・ホルモン反応・神経系反応など、生体防御反応の最前線で活躍していることなどを、実例を紹介しながらわかりやすく説明する緒方先生の講義に、参加者は聞き入っていました。

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 研修の終わりにあたり、緒方先生は「病気の予防、治療にはスキン・ケアが大切です。 患者さんは高齢者になればなるほど自分で身の回りのことができず、気が付かず、判断できず、行動できません。したがって注意深い観察と積極的な働きかけと優しく忍耐強い対応が必要です。原則は理解しつつ、基準にとらわれ過ぎず現場で的確な判断と、速やかな対応ができるよう心掛けてください。軌道修正能力を持って欲しいと思います。褥瘡の予防・治療にあたっては、『あなたが患者さんなら、どのようにしてもらいたいですか?』を念頭に置き、『なんでだろう?なぜかな?どうしたらよいか?』という”考える介護・看護・医療の実践につとめましょう」と呼びかけると、会場からは惜しみない拍手が贈られました。

(あと1回続きます)

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