「食べられる口」学びました(リハ部会研修会:その3)

2017年3月2日|

001BQ8V8293 2月18日(土)にリハビリテーション研究部会が開いた第2回研修会「食べられる口を目指して」。後半の講師は介護老人保健施設メディケア盛年館の管理栄養士、小林真喜子先生。小林先生からは症例を通して栄養マネジメントや経口維持加算に取り組むことで多職種との連携がとれるようになり、誤嚥性肺炎を起こすことなく経口摂取が継続できているとの紹介がありました。

 自分の体重管理はどうしてますか?ということで、何を基準にすればよいのか。質問1、最近、血糖値が気になるAさん、体重も年々増加傾向です。とうとう医師からダイエットをいいわたされました。管理栄養士の指導のもと、食事記録をつけて指定のカロリーを守っているはずなのに瘦せません。どうしてでしょうか。答え、食事記録に書いた食事量より、実際に食べた量のほうが多いと思われるから。詳細の何グラムかの食材かや外食などでの記録は難しいところもあり、また間食などや無意識以外のものは書き漏れたりする場合がありますので、違いがでてくるのではないでしょうか。002BQ8V8302

 質問2、どうしても1日当たりの摂取カロリーが知りたいと思ったAさんはできるだけ正確に1週間分の食事記録をつけてみました。ところが、それを基に管理栄養士が算出した数値をみて、Aさんはびっくりしています。それはいったいなぜでしょうか。答え、予想以上に、日によって摂取カロリーに違いがあったから。 同じ人でも、食べる量は毎日変わる。普段と同じ食事をしているつもりでも食材や調理法によってカロリーが多かれ少なかれ変わります。数日程度の食事記録からその人の食習慣や平均的な摂取カロリーを把握するのは難しいところです。それでは、自分にとって適正なカロリーをどのように判断すればよいのか?というと自分の「体重」で判断するのがわかりやすいと思います。自分の体重が適正かどうかはBMIを指標にします。(標準:18.5~25未満)。

 話題のダイエットとして、カロリー制限や糖質制限がありますが、摂取カロリーと消費カロリーの大小でカロリー制限はダイエットにつながります。糖質制限では、まず糖質で太るのは体に糖質が入ってきた時に分泌されるホルモンのインスリンが、エネルギーとして使いきれなかった栄養分を、体脂肪としてため込んでしまうから。糖質をとらなければ、脂肪の蓄積が妨げられ、糖質の代わりに体脂肪が使われていくことで、ダイエットにつながっていきます。003BQ8V8297

 太りやすいのはどっち?ということで同じカロリーのコーラとごはんではどちらでしょう。正解はコーラになります。コーラの単純炭水化物とごはんの複合炭水化物の分解吸収などのちがいによるものになるからです。ジュース類の砂糖の量のスライドや似たカロリーのラーメンと1汁2菜の定食スタイルでも塩分や野菜量などが異なります。

 大切なのは、カロリー(食事)の中身であり、中身(栄養バランス)が大事であります。食品は、それぞれのもつ栄養素によって6つのグループに、働きによって3つのグループに分かれます。毎日の食事のそれぞれのグループから食品を選び組み合わせて食べることで、簡単に栄養のバランスのとれた食事ができます。(6つの基礎食品、3つの食品群)。

 体重を1か月に1㎏減らすには?体脂肪1㎏には、約7000kcalのエネルギーがあります。7000kcalの体脂肪を1ヵ月で減らすには、7000kcal÷30日≒233kcalになります。ごはんでいうと軽く茶碗1杯(120g)、消費カロリーでいうとジュギング30分、自転車50分、水泳20分となり、自分のやり易い範囲で自分にあった方法で自己管理をしていただければと思います。と締めくくりあっという間に時間が流れていきました。

 歯科衛生士と管理栄養士それぞれの講演を聞き、口腔ケアの重要性や栄養マネジメントなど、また1つ知識の引き出しが増えて自分自身や利用者様に還元できるものとなりました。004BQ8V8306

(おわり)

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