飯になるまで水加減

2017年4月12日|

 「青田から飯になるまで 水加減」ということわざが宮崎にはあるそうです。「宮崎県のことわざ・格言」(宮崎県農業改良普及協会編、鉱脈社)によると、「米は、青田で生育する段階から、収穫がすんで飯にたく時にいたるまで、水の量の多い少ない、適不適が収量や味を左右する」とのことです。

 写真は東諸県郡国富町内で撮った一枚。超早場米の産地、宮崎県。すでに水田には苗が植えられ、風に揺れていました。そして田んぼに張られた水は宮崎の澄んだ青空を映し、見渡す限り青の世界が広がっていました。

 都会の人に見せてあげたくなるような美しい田園風景を見ていると、田んぼは単に米を生産するという役割だけでなく、自然や環境を保全したり、稲作を通じて地域社会を形成したり、食文化をはじめとする様々な文化や芸能を生み出したりといった多面的な役割を果たしてきたのだと感じずにはいられません。そしてそれらは先人達が力を合わせて取り組む中で生まれ、伝えられてきたものであり、老健施設の利用者にも、その役割を担ってこられた方々が多くおられると思うと敬服の念に堪えません。

 今年の豊作を皆で祈るとともに、冒頭に述べたような稲作や日々の生活から生まれたことわざや言い伝えを利用者の皆様に教わり、それをまた後世に伝えていきたいと、この景色を見ながら思った次第です。

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