第14回研究大会開きました(その4)

2018年1月9日|

  宮崎県福祉保健長寿介護課の木原 章寛課長による基調講演、「老人保健施設を取り巻く環境の変化と期待される役割について ~地域共生社会を見据えて~」。「(4)老人保健施設を取り巻く環境の変化」の中で次期報酬改定について説明がありました。社会保障審議会介護給付費分科会で報酬改定に向けた基本的な視点としてまず「地域包括ケアシステムの推進」、「自立支援・重度化防止に資する質の高いサービスの実現」、「多様な人材の確保と生産性の向上」、「介護サービスの適正化・重点化を通じた制度の安定性・持続可能性の確保」を呈示。そして介護老人保健施設の機能に対する評価として(a)従来型の基本報酬については、一定の在宅復帰・在宅療養支援機能を有するものを基本型として評価することとし、メリハリを付けた評価としてはどうか、(b)在宅復帰・在宅療養支援機能については、現在、在宅復帰率、ベッド回転率、退所後の状況確認などの指標を用いて評価しているが、これらの加え、入所後の取り組みやリハビリテーション専門職の配置などの指標も用いることで更にきめ細かい評価ができるようにしてはどうか、(c)また現行の在宅強化型よりも在宅復帰・在宅療養支援を進めている施設については、更に評価してはどうか・・・という対応案が議論されていることを、スライドを用いて解説しました。

 最後に「(5)多様化する社会的要請への対応」について、「老健施設に期待すること」として「入所・居住系サービス類型からみた老健施設は、特養とかぶっているところがあります。しかし老健が目指す姿としては『在宅復帰支援』です」と前置きした上で、

○老健施設本来の役割である、在宅復帰、在宅支援に取り組む

○地域で何を求められているか把握し、その役割を果たす

○他職種協働という老健施設の機能を地域に展開する

○高齢者のほか、障がい者などの生活上の困難を抱える方への支援にも目を向ける

の4つを挙げ、さらに「介護職員をはじめとした処遇改善」、「介護ロボット、ICTを活用した介護職員の職場環境の改善」にも言及しながら、「老健施設の本来の機能、役割に特化してもらうとともに、多様化する社会的要請を見据えた取り組みも行い、地域共生社会の一躍を担う介護老人保健施設を目指して下さい」と呼びかけ、講演を締めくくりました。

 介護老人保健施設の今後の取り組みに大きな期待を寄せ、わかりやすく熱心に講演していただいた木原課長に、会場からは感謝の拍手がおくられました。

(つづく)

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