キャリアアップ基礎研修開きました(ケアプラン部会、リハ部会:その5)

2018年3月2日|

 関節可動域が制限される「関節拘縮」は、その原因として(a)脳血管障害の後遺症による筋の緊張が持続する、(b)不適切な施設のまま放置される、(c)必要以上の保護や安静を行う・・・などがあると指摘。「膝関節を屈曲したまま長時間の臥床が続くと、膝関節が屈曲拘縮し、それによって立位昨日が低下します。するとトイレ動作などの自立が阻害され、その結果在宅復帰ができなくなってしまいます」という説明に、受講者は真剣に聞き入っていました。その後関節拘縮を予防するためのポジショニングが紹介されました。

 最後に「本人の能力を生かした介助の原則」について説明があり、次のようにポイントが示されました。

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○環境の適正化・・・動作環境(床・ベッド等)の確認、道具(手すり・杖等)の確認

○日頃の廃用症候群の予防・・・適切な姿勢、同じ姿勢を長時間とらない

○動作の確認:動作の認識、動作の手順を確認

○残存能力の最大限活用・・・健側の筋力を十分に生かす、可能であれば麻痺側の上下肢も参加

○ほめる・・・遂行した動作に対してほめる、良好な関係を作り出し、自立する気持ちを持続させる

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 これらを踏まえて「職員こそ最も重要な環境です」と、本人の能力を生かした生活リハビリテーションを日々のケアの中で実践すること、そのために職員ひとりひとりの働きかけが重要で、そのことが利用者のより良い動作を引き出し、在宅復帰につながることを強調した中村さんの講義を、受講者は「介護を必要とする高齢者の自立を支援し、家庭への復帰を目指す」という介護老人保健施設の使命を再確認しながら耳を傾けていました。

 長時間に渡る講義でしたが、明日からの各職場での業務に活かせる、実践的で大変有意義な研修会となりました。

(おわり)

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