開催しました!「九州大会inみやざき」(その14)
教育講演に続いては「ACP(:アドバンス・ケア・プランニング、『人生会議』)」をテーマに掲げ、市民公開講座を開きました。
この公開講座にはお二人の先生を講師にお招きしました。最初に演台に立ったのは日本ACP研究会会長で岩手保健医療大学看護学部成人看護学領域教授、そして臨床倫理研究センター長、さらに東京慈恵会医科大学客員教授の医師、三浦靖彦先生。
「私の講演のテーマは『よりよく生きるための人生会議を始めよう』ですけれども、2018年にアドバンス・ケア・プランニングという言葉が突然降って湧いたように日本にも入ってきたわけです。そしてその11月30日には『いい看取り・看取られ』というニックネームを付けて『もしものときのための人生会議』というふうに言われていました。日本医師会のガイドブックを見ても『終末期医療』と書いてあったり『もしものときのために』と書いてあったりするので、『これは要するに意識がなくなった後のこととか、人生の最終段階のことを、考えるの?』というふうに思われがちです。例えば病院に入院するとき、『何かあった歳には“人工呼吸器はつけなくていいです”、“心臓マッサージは受けなくてよいです”という念書を病院側がとっています』ということはよくあって、『うちの病院はACPちゃんとやっています』と言っていたりするんですが、医療行為を事前に指示しておく『事前指示』は、アドバンス・ケア・プランニングのごく一部です。しかも、これに『はい』と言わないと入院させてもらえない雰囲気をぷんぷん漂わせているということが結構あります。これは事前指示というよりも無理矢理念書を書かせるという感じもします。高齢者施設においても、入居のときに『いざという時に救急車を呼ばなくてよいです』、『延命治療を受けさせなくてよいです』と家族からサインをもらい『うちの施設はちゃんとACPやっています』と言っても、これは『家族の希望』であって、『本人の希望』はどこにも書いていない、ということが多いです。今日はそのあたりのことをお話ししたいと思います」と切り出した三浦先生の話を聞こうと、会場は一般の来場者も席を埋め、熱気を帯びてきました。
(つづく)