研究大会開催しました〔特別講演その1〕
「食べるということは命にもつながる大切な行為です」と切り出した宇都先生。講演のタイトルを「最後まで・・・」ではなく「最期まで・・・」とされていることからも、その思いを伺い知ることができました。
講演は(1)口腔ケア指導の成果と口腔ケアの実際、(2)口腔内細菌と誤嚥性(ごえんせい)肺炎、(3)在宅で最期まで口から食べる事への取り組み、(4)食介護・食支援アンケートの結果から・・・の4つの内容について行われました。
まず、口腔ケアの成果と口腔ケアの実際については、潤和会記念病院にて宇都先生が歯科衛生士と共に、月1回、1病棟ごとに指導介入した事例が紹介されました。病棟職員を対象に基本的口腔ケアマニュアルを作成し、指導した結果、「うまく口を開けてくれない」、「方法や道具が分からない」という悩みが減った一方で、ほとんどの職員が「歯科専門職が必要」と答えたとのことでした。
また、位相差顕微鏡を使って、実際に口腔内を撮影した映像が紹介されました。口腔内でうごめく細菌のあまりの多さに、受講者からは驚きの声が漏れていました。しかし、口腔ケアを行うことで要介護患者の総細菌数、そしてその中でも桿菌の数が有意に低下したことが説明され、口腔ケアの必要性を実感することができました。(続く)