黄金週間に悲劇週間?

2012年5月4日|

 世の中はゴールデンウィークも終盤となりましたが、老健施設に勤務されている皆様におかれましては、それとは関係なく日々業務に励んでおられるかと存じます。

 さて、私事でありますが、一昨年、すなわち平成22年の黄金週間の頃、「悲劇週間」という本を読んでおりました。別に休めないことへの当てつけでは決してありません。たまたまです。まったくの偶然です。ほんとですってば。

 著者は矢作俊彦(やはぎとしひこ)、文芸春秋から2005年の1215日に第1刷が出ていました。時代は明治から大正にかけて。メキシコに赴任したエリート外交官の息子が主人公でした。詩人を志す彼が、メキシコ革命後の内乱に巻き込まれていく様を描いたものでした。大統領の親戚にあたる美しい女性と恋に堕ちるのですが、果たしてその結末は・・・。  

著者がすごく力を入れているのが伝わる長編大作で、倒置的な表現が繰り返し用いられ、作品に一定のリズムを与えていました。また、夏草そよぐ中にたたずむ白い衣装の女性を描いた(?)表紙の絵にもひかれました(著名な画家が描いた作品だったのではないでしょうか)。

 タイトルとはうらはらに、黄金週間を「悲劇的」ではなく過ごすことができました。もしご興味がある方がおられましたら、ご一読を。

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