頂上に立つということ
世界一の高さを誇る東京スカイツリーが開業し、連日多くの観光客でにぎわっていることは周知のことですが、こっちはその東京スカイツリーを約14個積み上げた高さです。そう、世界最高峰のエベレスト。8848メートル(諸説あり)の頂上に立つには、エレベーターなんて便利なものはありません。
5月29日の宮崎日日新聞「ひと」のコーナーに、そのエベレストに女性最高齢の73歳で登頂した渡辺玉枝さんの記事が載っていました。その最高齢記録も、10年前に自らが樹立されたものを更新したわけですから脱帽です。
記事では、登頂、そして記録更新の喜びよりも、「苦しかった」という苦難と反省の弁が語られていました。かつて腰に大けがを負い、手術、そして懸命なリハビリに努めてきたとの事ですが、苦しんで苦しんで、苦しみ抜いてきたからこそ、「苦しかった」と言えるのではないでしょうか。そう考えると、その言葉の重さがひしひしと伝わってきました。
中でも衝撃的なのが、「岩場は険しく、過去の登山者の遺体が横たわっていた」というコメントでした。そういう光景を目の当たりにしながらも、さらに上を目指すためには、身体を鍛えるだけでなく、どんな状況でも屈せぬ精神力を磨かなければならないのだと思いました。
繰り返しますが73歳。エベレストに登ること自体、誰にでもできることではないのに、この年齢で最高峰を極めるとは、まさに最高の賞賛に値するものです。実際にエベレストに登ることは無いにしても、渡辺さんがエベレストに挑む姿勢や考え方は、私たちにとっても学ぶべきものが多いと感じた記事でした。
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