とこなつジャパン

2011年7月20日|

 「常夏」と書く「とこなつ」。実は「なでしこ」の古名なのだそうです。したがって、世が世であれば、私たちは彼女たちのことを、「なでしこジャパン」ではなく、「とこなつジャパン」と呼んでいたのかもしれないなあ、と思います。もちろん、世界一の栄誉に輝いた、日本女子サッカーチームのことです。

 対戦前、あるサッカー解説者は、「日本がアメリカに勝てる確率は35%だ」と言っていました。事実、アメリカは非常に強いチームで、すんなり勝てるとはとても思えませんでした。だけど、「なでしこジャパンならきっとやってくれる!」と確信していました。そう、「願望」ではなく、「確信」です。それはなにゆえか?それは、ほかのどこのチームより強い「絶対にあきらめない姿勢」が、なでしこジャパンからは感じられたからです。

 「あきらめたら、そこで試合終了ですよ」・・・。これは、某超有名バスケットボール漫画で、監督が主人公に言ったセリフですが、あれだけ体格差のあるチームを相手に、先行されて、追いついて、延長戦でまたもや突き放されて・・・。だけど、彼女たちは誰一人としてあきらめなかった。一人でもあきらめていたら、そこで終わりだったことでしょう。その思いが、最後の最後まで途切れなかった。男子も顔負けのスーパープレイも飛び出して、世界中が驚いた、なでしこジャパンの優勝劇。もしその舞台に台本があったとすれば、たった一行、「あきらめないこと」と書いてあったのかもしれません。

 節電が国民的課題となっている今年の夏ですが、仮に「なでしこジャパン」が「とこなつジャパン」であったとしても、こんな感動的な常夏フィーバーなら大歓迎です。ひとりひとりがあきらめない気持ちを持つことの大切さを教えてくれた、嬉しいニュースでした。 

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