研究大会開きました(その3)

2013年3月22日|

 続いて「最後まで『いのち』を支えるために ~かあさんの家の実践から~」と題し、特別講演がありました。講師はNPO法人ホームホスピス宮崎の市原美穂理事長。2004年に全国で初めて行き場のない末期患者向けホームホスピス「かあさんの家」を開設し、訪問介護や居宅支援事業などの事業を展開。その一方で全国各地での講演をこなすなど活躍中です。

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(県外の講演から戻ったばかりの市原理事長ですが、その疲れもみせず熱意ある講演をして下さいました)

 

 「かあさんの家」の理念は「最後まで暮らしと『いのち』をささえる」、そして「見えなくなった死を、看取りを介し生活の場に取り戻すこと」。「8割の人が病院で亡くなっている現状があり、病院でなければ死ねないと思っている人が多いが、果たしてそうなのか?」と問題提起した市原理事長。「病院での看取りはモニターを管理し、家族はそれを見ているという、いわゆる”デジタル”。しかし家での看取りは手を握って脈をとり声をかける”アナログ”です。看取りの主人公は家族であり、家族が悔いのない看取りができるよう支え、その時間と空間を提供することが大事です」と、”End of life care“の重要性を訴えました。

 そして家族が安心して看取れるよう、主治医による病状および今後想定される状態の説明を踏まえ、「かあさんの家」での看取りを再確認し、家族にできるだけそばに寄り添ってもらえるよう環境を整えるなどして、自然で穏やかな最期が迎えられるように医療と介護のチームが一体となって取り組んでいる様子を、実例を交えながら紹介しました。

 「死は特別なことではなく人間にとって自然な経過です。”いのち”を受け止める地域づくりをすすめ、安らかな生の終えんを支えましょう」と語りかけた市原理事長に、満員の会場からは拍手が鳴りやみませんでした。

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(市原理事長の講演にみんなが聞き入りました)

 

(つづく)

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