さこざこかげるよ

2015年4月28日|

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「もはや日暮れじゃ さこざこ 陰るヨー」

・・・というのは、ご存知宮崎県を代表する民謡「刈干切唄(かりぼしきりうた)」の2番の歌い出しです。

 このなかの「さこ」を広辞苑で調べると「さこ【谷・迫】(関西・九州地方などで) 谷の行きづまり、または谷。せこ」とあります。九州山地を西に拝む宮崎県の多くの場所では、太陽は山に沈んでいくわけですが、日が暮れるに従って、「さこざこ」が陰ってくる様子を「刈干切唄」は情感豊かに歌い上げています。「さこざこ(迫々)」なので、九州山地が作り出すたくさんの「さこ」のギザギザのように、この曲は細かい節回しと抑揚を駆使して歌われますがこれが大変難しいです。しかしそれゆえに聴く者に感動を与える名曲です。

 また、刈干切唄の2番は

「駒(こま)よいぬるぞ 馬草(まぐさ) 負えヨー

と続きます。つまり「もう日暮れだ、暗くなってきたな。帰るから馬草を背負えよ」と飼い馬に呼びかけているのですが、山村に住む人々のかつての暮らしぶりが目に浮かぶようで、その中からこの曲が生まれてきたと思うと、深い感銘を覚えます。

 海に沈む太陽もこれまた良いものではありますが、山々の向こうに静かに沈んでいく宮崎の太陽は郷土の宝物だと思います。利用者の皆様とこの「刈干切唄」を歌いながら、宮崎の夕陽を眺めてみてはいかがでしょうか。

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