田を作るより畔(あぜ)を作れ
「田を作るより畔(あぜ)を作れ」ということわざが宮崎県にはあるそうです。「宮崎県のことわざ・格言」(宮崎県農業改良普及協会編、鉱脈社)には、「田を作るにはその前に畔を念入りに作っておけ。畔の善し悪しが、田の収穫量を左右することを言う。」と書いてあります。
昔はほとんどの農作業の場で、人力に加え農耕馬や農耕牛が活躍していました。朝夕の時間帯に、牛車に乗った人や、田んぼの草取り機(回転式田草取り機)を抱えた人が、田んぼと自宅の間を行き来していましたが、現代は機械化が進み、その姿を見ることは無くなりました。
それでも宮崎県の農業が、その豊かな自然の恩恵を受けながら営まれていることは今も昔も変わりません。「自然」と言っても、荒れ放題の自然ではなく、人の手により管理され、育まれてきた自然の美しさは、宮崎県の魅力の一つだと言ってよいのではないでしょうか。
老健の利用者の方々の中にも、長年農作業に携わって来られた方も多いのではないかと思います。その頃の畔作りの話などを伺いながら、当時を振り返ってみたいと思う今日この頃です。
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