人生百年!

2011年9月19日|

 今日は敬老の日。一昔、いや二昔前の敬老の日(915日でしたね)は、各地区の公民館で敬老のお祝いがあったものです。数人のお年寄りを高座に上げ、子どもから中年までの住民が総出でお祝いしたものです。ごちそうを囲みながら、子どもは学校で習った歌を歌ったり、踊りを踊ったりしてやんやの喝采を受け、お菓子ももらって上機嫌。大人は酒盛りで賑わって、「長生きするっていいなあ」と子供心に思ったものでした。

 時代は平成に代わり、日本は世界一の長寿国家になりました。913日付けの日本経済新聞に、「人生100年時代を生きる」という記事が掲載されていました。これによると、日本では100歳以上の長寿者が急増しているとのこと。1963年に153人だったの対し、2010年には44,449人に増加しているそうです。厚生労働省の予測では、2050年には68万人を超えると予測されており、これは87年で4,444倍の増加ということになります。

 上智大学教授の鬼頭宏さんのコメントが印象的です。「日本人は、今や生物として別の種類になった」と。人間の平均寿命は縄文時代15歳、江戸時代前期でも20代後半だったのだそうですから、必死で川を遡上し、産卵の後に寿命を全うする魚のように、当時は「種の保存」のために持てる命のすべてを注ぎ込んでいたのでしょうか?

 時代は変わって現代。「長生きするっていいなあ」と思っていたあの頃に思い描いていた未来に、今はなっているのだろうか?と、思っても、答えは出てきません。だけど、老健に勤める者の一人として、高齢者が生き生きと、まさしく「生きがい」を持って過ごせる社会になるよう、やるべきことは本当にたくさんあると思います。そして、それを実践していくことが、将来の自分のためでもある、とも。

 敬老の日が915日から、第3月曜日に変わりましたが、人生の大先輩を尊び、敬う心を持ち続けること、そして、日々の業務の中で、あるいは日常生活の中で、その心を忘れないために、今日という一日を大切に過ごしたいと思います。

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