深刻!介護職の精神疾患

2016年5月13日|

58日の宮崎日日新聞に、「介護職の精神疾患深刻」という記事が1面に掲載されていました。

001DSCN2320(tss).jpg

「仕事のストレスが原因で鬱病などの精神疾患を発症したとして、労災を申請した介護職員が2014年度までの5年間で2倍以上に増えたことが7日わかった」というこの記事によると、厚生労働省の集計によると介護を含む「社会保険・社会福祉・介護事業」の2014年度における精神疾患の労災申請は2009年度の2.1倍となる140人であり、全業種の1.3倍を上回ったとのこと。そのうち労災認定は2009年度の10人から2014年度は32人に増加。3.2倍というこの増加率は全業種の認定2.1倍を超えており、記事は「慢性的な人手不足が続く介護業界の深刻な職場環境の悪化が浮き彫りになった」とし、政府が人手不足対策の一環として5月にまとめる1億総活躍プランで掲げる介護職員の賃上げなど処遇改善策とともに、メンタルヘルス(心の健康)対策の推進も必要であることを指摘していました。

「人手不足で環境悪化」というこの深刻な現状に鑑み、当協会としてもその解消をはかるため、さまざまな取り組みを行って参ります。その中で地域医療介護総合確保基金を活用した宮崎県の委託事業として、次のような事業を実施します。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【介護従事者確保事業】

・・・宮崎県内に住む労働意欲のある高齢者や主婦(経験不問)など、「埋もれている介護人材」へアプローチを行い、人材を募集。知識・技能・経験によりクラス分け(ABC)を行い、労働の機会を提供します。

【介護ロボット普及促進事業】

・・・介護者の負担を軽減し、介護職員の離職を防ぐため、介護ロボットをリースし、会員施設に無償貸与。その有用性を調査・実証し、普及・促進をはかります。

【「介護のしごと」理解促進事業】

・・・専門学生を対象にしたアンケート、「『介護のしごと』パンフレット」の作成、配布、会員施設スタッフが学校を訪問して介護の仕事の説明や介護体験学習を行う職場体験等を通じ、「介護のしごと」への理解促進をはかります。

【介護人材キャリアアップ研修支援事業】

・・・「基礎研修」、「中堅者研修」、「管理者研修」など、それぞれの経験や知識、役職等に応じた研修(例:「基礎研修」→接遇向上、傾聴、認知症ケア、「中堅者研修」→メンタルヘルス、コーチング、「管理者研修」→リーダーシップ、経営)を開催。全国レベルで行われるような質の高い研修を県内で実施することにより、全体的なキャリアアップを目指します。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 これらの事業とは別に、当協会が毎年開催する研究大会、そして協会各研究部会が主催する研修会などを通じ、介護の現場が抱える様々な問題を解消し、生き甲斐を支え、喜びが広がる魅力的な職場環境作りを進めて参ります。そしてこれらの研修会等のほとんどは県内会員老健施設の役職員はもとより、高齢者施設や医療機関で働かれている方、その他どなたでも受講することができます(宮崎県外の方も受講可能です)。

 研修会の開催にあたっては、その都度協会ホームページおよびフェイスブックでご案内いたします。これらの研修会は、参加者同士が現場で抱える悩みを相談しあうなど、情報交換や問題意識の共有の場にもなっていますので、積極的な参加・活用をいただきますようお願い申し上げます。

« 前のページに戻る

TOPへ