積み重ねるということ ・・・魁皇関1046勝・・・
「積み重ねる」。文字にしてよくよく見入ると、そのすごさがわかるような気がします。最初は低い所から初めて、少しずつ、少しずつ、その高さを増していくわけですが、一朝一夕にはできない苦労や困難を伴うような響きが「積み重ねる」からは感じられます(個人の感想です)。しかし、ひとたび積み重ねられたら、どっしり、がっしり。ちょっとのことでは動じない強靱さ、安定感、けだかく尊い感じがします。
似たような言葉で「積み立てる」があります。これは何だかどんどん高さが増していくスピード感があります(横にするのではなく、立てていくわけですから)。貯金で言うなら、「積み重ねる」より、「積み立てる」方が嬉しい響きに聞こえます。しかし、その一方で、「積み立てる」は「積み重ねる」より、もろく、崩れやすそうな印象も受けます(これも個人の感想です)。もっとも、積立貯金はいざ使う時になって崩せなかったら困るわけですから、どちらが良くて、どちらが悪いというものではありません。
さて、年齢、つまり齢(よわい)はというと、「積み重ねる」ものだと思います。時間の流れは誰しも同じで、誰でも一年に一つしか重ねることができません。そう考えたとき、日頃老健に勤めて、毎日接している利用者様のすごさを改めて感じます。80、90、そして100歳・・・。みんな一つずつ、一年ずつの積み重ねがあるわけです。その中には辛いこと、苦しいこと、一杯あったことと思います。時には嬉しいこともあったとも思います。そうやって齢(よわい)を重ねて、長生きされていることに、尊敬の念を禁じ得ません。ありきたりな言い方しかできませんが、「人生の大先輩」として、見習うべき偉業です。
魁皇関には、まだまだ相撲を続けて、白星を積み重ねていって欲しいと応援する気持ちで一杯です。そして、老健を利用して下さる「人生の大先輩」の方々にも、これからもひとつひとつ齢(よわい)を重ねて、私たち後輩の道しるべになって欲しいと、改めて願った、新記録達成の朗報でした。