研修会開きました(リハ部会:その10)

2015年2月11日|

 櫛橋弘喜先生の講演、最期に「2025年の介護老人保健施設」というテーマで話がありました。これからの介護老人保健施設は(1)在宅ケア支援施設(在宅限界への挑戦)、(2)地域支援(24時間対応相談・訪問・入所)、(3)生活機能向上を目指した短期期間の入所、(4)在宅生活支援のための緊急入所、(5)質の高いリハビリ提供、(6)(入所・訪問・通所・相談)・・・の6項目をスライドに示した上で、(2)地域支援に関し、「24時間対応。これができるかどうかが大事です。他の施設では在宅ケア支援の中核的施設になれません。できるのは老健だけです」と述べ、「在宅支援型老人保健施設」として機能を発揮することの必要性を説きました。

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 一方、現状の問題として(?)夜間や休日などの身体状況の変化への不安に対し、医療や介護の内容に関係なく一体的に相談できる窓口がなく、在宅で療養されている要介護者や家族の不安を解消する必要がある、(?)平日の昼間でも、医療や介護の内容により相談窓口がバラバラで利用者にわかりづらいため、在宅療養時における悩み等の相談窓口を明確にする必要がある・・・の2点を挙げました。

 これらを踏まえ、櫛橋先生は「『在宅総合ケア支援センター』というものを老健に設けてみてはどうかと思います。これは医療、介護の不安に対応する相談機能をはじめ、福祉用具・住宅改修などのテクノエイド、訪問・通所・入所の直接サービス、適切なサービスへのトリアージ、そして住民への啓発・研修などの地域支援などを一体的に行う24時間対応のワンストップサービスです」と述べ、スクリーンに「在宅総合ケア支援センター(Total
Care Assistance Station
T-CAS)」の文字を浮かび上がらせると参加者は高い関心を示しました。

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 そして「老健の有する専門性や施設などを活用し、地域包括ケアシステムが目指す『住民が住み慣れた地域で、安全かつ安心して暮らし続けることができる』ようになる環境をするため、老健にT-CASの設置を」と提唱し、講演を締めくくると、会場からは感謝の拍手がおくられました。

 来年度の介護報酬改定を目前に控え、また来るべき2025年に向けての舵取りが進む中で、在宅復帰支援、および在宅生活支援をより一層推し進め、地域包括ケアの拠点として介護老人保健施設がその機能を発揮していくために、一人一人がどう考え、どう行動すればよいか・・・。参加した60人にとって、学びの多い研修会となりました。

(終わり)

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